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不滅

帯のコピーから。
「ジョイス、プルーストで幕を開けた二十世紀の文学は、この小説で締めくくられる」
言い過ぎでしょ(笑) あ、でも私はジョイスの本もプルーストの本もどっちも投げたんだっけ。。。 前振り記事はこちら。
不滅不滅
(1992/02/20)
ミラン・クンデラ

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1本の起承転結があるストーリーではない。これが小説だと思うとまず反則技は、クンデラ自身が登場し、作中の人物と語り合ってしまうこと。それに混じって虚構の主人公アニェスと正反対の性格の妹ローラ、夫のポールの物語が挟まれ、時空も場所も超えて文豪ゲーテとその恋人ベッティーナが登場し、ベートーベンやヘミングウェイやルーベンスまで現れ、そんな一見バラバラのストーリーが不思議と不協和音を奏でずに繋がっていく。プロットがあるようなないような、これが二十世紀の締めというなら、確かにこんな小説は今までなかったのかも知れない。ストーリーに込められたテーマ、という小説の成り立ちは一般的だけど、その逆、テーマの下に変幻自在にストーリーを展開するとなれば、それは新しい在り方なのかもしれない。作中でクンデラ自身が語る言葉にこんなものがあった。
「僕が残念に思うのは、これまで書かれた小説のほとんどすべて、あまりにも筋(アクション)の統一の規則に従順すぎるということだ。・・・・そういう小説は狭い街路のようなもので、その道筋に沿って、登場人物たちは鞭で追い立てられてゆく。劇的緊張、これはまさしく小説に負わされた呪いだね。・・・すべてを最後の大団円に通じる単なる一段階に変えてしまって、その大団円には、前にあるものすべての意味が集中してくるんだからね。それ自体の緊張の火に焼かれて、小説は麦藁の束のように燃え尽きてしまうのさ」

Kunderaファンには、この本が一番、という声もなるほど分かる。でも・・・と、ここからは私の好き嫌いの話しになるけど、Kunderaって、思想的、哲学的なフリしながら、愛だの性だの語らせたらピカイチ。こんな下世話な結論を下したら、ファンに怒られるよなあ。彼はチェコ出身でフランスへ亡命、そんな事実から反体制的な政治色を勝手に描いてしまうけど、実はとてもpan-Europeanな自由人なんじゃないかと思う (Europe以上に広げる気はないけど)。ここまで来たら 「冗談」 と 「存在の耐えられない軽さ」 もやっぱり読まなきゃダメかなあ、と義務感に近いものを感じる。そして一連の作品の根底にあるのは ”存在の耐えられない軽さ” なんじゃなかろうか??
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[C73] それにしても・・・

例によって達意の文章ですな。
無駄がないし、読んでみたくさせるからたいしたものだ。

それにしても、記事を投稿した時間は昼休み?
  • 2011-08-31 15:33
  • さかい@tadoku.org
  • URL
  • 編集

[C74] 月末です。。。

私も人の書いた記事を読んで、読む気にさせられたくちです。
好きか嫌いか、興味はないか、クンデラは分かれるような気がしました。とはいえ、やはり特異な作家だと思います。本好きならとりあえずかじってから、好きだの嫌いだの語らないと、と思わせる作家でした。

> それにしても、記事を投稿した時間は昼休み?

月末にもう1つ投稿数を増やそうと、ムキになってお弁当を食べながら投稿。そして月末故、今まだお仕事中。。。
  • 2011-08-31 23:49
  • Green
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