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The Einstein Girl

よくあることだけど(笑)、知らぬ間に未読本の中に紛れ込んでいた。Einsteinはかのアインシュタイン博士。そのアインシュタインと最初の妻の謎を巡るミステリー。舞台は第二次世界大戦前後のドイツ・東欧。暗い時代背景と天才物理学者の秘密が絡み合う話しってだけでちょっとそそられる。主人公の精神科医と、その患者である記憶喪失の女性を軸に話しが展開していくのだけれど、精神科医だからそっち系用語もあり、アインシュタインの相対性理論の話しもでるので、そっち系用語(光と重力と量子がどうしたとか??)もあり、そのあたりは気にせず読み飛ばし、専ら登場人物の悲しい人生を味わうことに専念。
The Einstein Girl. Philip SingtonThe Einstein Girl. Philip Sington
(2010/02)
Philip Sington

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1930年代始めのベルリンから物語は始まる。若い女性が瀕死の状態で発見され、昏睡状態から目覚めると記憶喪失になっている。唯一の手がかりは傍に落ちていたアインシュタインの講演のチラシ、そこからマスコミがThe Einstein Girlと呼ぶのだけれど、この女性の担当になった主人公の精神科医Martin Kirschは、事件前に彼女に偶然出会っている。プロフェッショナル的興味だけでなく、彼女への愛情からこのEinstein Girlが誰なのかを調べていくうちに、アインシュタイン本人とその最初の妻の物語へと話しは展開していく。それと絡み合って、Kirsch本人の家族、フィアンセのこと、彼が冒されている病気、精神科医としてのキャリア、戦争で死んだ兄弟の話し。。。と縦線、横線が多い。しかも途中に挟まれる書簡が、誰から誰に出された手紙なのか、よくわからないから、一杯謎を抱えたまま、半分くらいまで我慢の読書。そこからいよいよアインシュタインと、精神病院に収容されている息子のEduard、謎の存在、娘のElizabethの存在がクローズアップされ、サスペンス色が濃くなるとドキドキしてくる。

後半はナチズムの狂気に翻弄されていく様がえらく怖い。半分事実だろうと思われるから直一層怖い。本の最後のHistorical Noteには、どれだけの精神・身体障害者(と烙印を押されてしまった人)が強制的に、つまりナチの民族浄化政策のために子孫を残せないよう矯正されたか、揚句に殺されたか、が書かれているけれど、本の中にもそれを匂わせる今ではありえない治療方法の話しが出てくる(Insulin comaとか・・・)。

本に登場したある物理学者の言葉を最後に(どうしてこんなことに私のアンテナは引っ掛かるのか?)。 彼と主人公Kirschが、アインシュタインが昔住んでいたサマーハウスでしている会話。皆、アインシュタインは、はるか彼方の星と宇宙の研究をしていて、そんなことは自分には全然関係のないことだと思っているかも知れないけれど、それは違う、と言った後の言葉;

What they forget is that we're all part of the universe. We're as much an expression of its physical laws as anything else, whether we like it or not. Therefore, to change your understanding of the cosmos is to change your understanding of Man. ....Liner space and absolute time were more than sacrosanct, Dr. Kirsch. They were the foundation stones of rational thought. No one even considered questioning them. Einstein didn't just demonstrate that they were illusory. He saw that they were.

美しい数式は正しい、らしい。宇宙を解く事は人間を解くこと、それがアインシュタインの物理学?
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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