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園芸家の一年

「カレル・チャペックの日曜日」にどうもいまひとつ乗り切れなかった悔しさ(?)で、こんな本に手をだしてみた。チャペックはどうも多芸な趣味人だったらしく、園芸もその一つでかなりなマニアだったらしい。一年と題するからには、ちゃんと一年の園芸暦があって、「園芸家の1月」から「園芸家の12月」までが綴られるマニア本というか、蘊蓄本というか、相変わらずの軽妙洒脱なノリで園芸がどれほど大変かを嬉しそうにしゃべくり倒している本。
園芸家の一年園芸家の一年
(2008/09)
カレル チャペック

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1回に1ヶ月分、ダラダラと読んでみた。ダラダラと読むのに実に快適な本。ひたすら園芸の話しなので、花に興味のかけらもないとか、観葉植物の一つも育てたことのない人には、次から次へと出てくる植物の名前とか、土作りの話しとかにウンザリしてしまうかも知れない。ちなみに私はベランダで細々と植物を飼っている。とにかく偉大なるアマチュア園芸家カレル・チャペックの「私の庭自慢」である。

ただ園芸家だからと言って、植物の育て方とか、花の品種とか、一般向けのチャラチャラとしたお花の育て方ではなく、徹底した裏方仕事ばかりが続く。土を耕し、鋤き、ならし、掘り返し、肥料をやり、剪定し、移殖し、撒水する。こんなにも大変なんだよ、庭を維持するということは・・・と喋り倒し、季節を愛でるとか、見事に咲いた花を自慢するとか、そういうことでは全くない。とにかく次から次へとやることが一杯ある(らしい)。次の季節のために、今やらねばならぬことで園芸家は忙しいのである。そして庭に雪が積もる12月がやってきて、園芸家は何か忘れていたことに気付く。ああ、そうだ、自分の庭をゆっくり眺めることを忘れていた。。。が雪に覆われ花も咲いていない庭をどう愛でよというのだ?そして園芸家は家の中にうず高く積まれている種苗カタログと格闘し、来年3月に植えるもっと貴重で、もっと美しい植物を選び出し注文する、という作業に追われる。嗚呼、でも悲しいかな、もっと貴重でもっと美しい植物は、今庭に植えてある植物よりも、はるかにはるかに多いのである。

まるで私があの本が欲しい、この本も買いたい、と言っているのとよく似ている。一生かかっても読みきれない本をあ~だ、こ~だと眺め続ける。趣味とは何とも不毛なものである。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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