Entries

The Sense of an Ending

本年度ブッカー賞受賞作。ノーベル賞受賞作家は受賞した瞬間に敬遠するくせに、ブッカー賞には何故か甘い。受賞が決まった直後に、丸善オアゾに覗きにいったらSOLD OUTの貼紙があって驚いた。ブッカー賞って凄いのね・・・見るだけにするつもりだったのに、何だか悔しくて家に帰ってすぐAmazonでポチってやった。
The Sense of an EndingThe Sense of an Ending
(2011/08/04)
Julian Barnes

商品詳細を見る
Julian Barnesはお初。イギリス人といったって、若い作家は移民だとか移民の2世だとか、生まれはイギリスじゃないとか、アイルランド出身だとか、でもJulian BarnesってOxford大学出だし、見た目は中産階級のインテリだし、ポストモダン的と評される作風(ってなんだろ?)でイギリスを代表する作家だって言うし、スノッブなヤツじゃないか、と胡散臭い目で見てた。それは同時に、屁理屈をこね回すイギリス中流インテリの英語ってわからないんじゃないか、という引け目をでもある。

で、どうだったかと言うと、簡単とも言えないけれど、飽きずにグイグイと読める。じゃあ、バンバンすっ飛ばして読めるかというと、そういうタイプの本でもない、でもスピードが上がらないかというとそんなこともなく、案外ストレスはなし。私の狭い読書歴の中で言えば、Paul Austerのイギリス版って感じ(つまりそれがポストモダン文学ってやつ?)。

プロットはしっかりとしている。初老を迎えようという男性Tony Websterが、10代~大学時代までの3人の友だち、正確には飛びぬけて知性的で洗練され、そして繊細なAdrianと、TonyのガールフレンドVeronicaを中心に若き日を語り、そしてそれから40年を経た今になり、再び過去を振り返らざる得なくなる出来事が現れる。謎解き要素があるから、読む側としてはそれでどうなるの?という興味でグイグイと読ませてもらえる。でも大衆小説やチックリットみたいい飛ばせ!飛ばせ!で読ませてくれない。細かいところまで読み砕いていかないといけないような気にさせられる。初老に達した人間が、過去をノスタルジックに思い出すと同時に、人間の記憶の曖昧さが主人公を通して語られる、つまり人間というものは事実を都合のいいように解釈して、歪めて記憶する、これは生き続けていくための知恵でもあり、もしかしたら人間の本能なんだろうな。
But time..... how time first grounds us and then confounds us. We thought we were being mature when we were only being safe. We imagined we were being responsible but were only being cowardly. What we called realism turned out to be a way of avoiding things rather than facing them. Time.... give us enough time and our best-supported decisions will seem wobbly, our certainties whimsical.

でもね・・・・・・主人公のTony Websterに対してあまりにもIdentifyできないのがまず問題。今の時代ストイックに生きることは難しいし、程ほどにそこそこに、自分が傷つかない程度に上手く生きていくことを非難なんかしないけど、それを抜きにしても、Tonyあんたは何もわかってない!とVeronicaならずとも私もちょっと言いたくなる。そして最後は無理矢理な感じなんだよね。そうなる伏線は読み切ると、なるほどね、とは思うけど、その伏線も深みというよりは、無理矢理散りばめた伏線を繋げて終わりにしたよう。登場人物はみんな魅力的なんだけど、みんな中途半端で残念。初老に達して振り返る人生を理解するには、私はまだ若すぎるのか? 
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/153-21a5bc21

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 78
9 10 11 12 13 1415
16 17 18 19 20 2122
23 24 25 26 27 2829
30 31 - - - - -

全記事

フリーエリア

フリーエリア