FC2ブログ

Entries

狂った旋律

表紙のバイオリン弾きが語るように、これは音楽の話し。ロンドンのオークションで17世紀のチロル産のバイオリンを手に入れた「私」の元へ、小説家と称する人物が現れ、そのバイオリンを買い取りたいと言い出す男が自らの不思議な経験を語り始める。そして舞台は1930年代のウィーンへ飛ぶ。
狂った旋律狂った旋律
(1998/12)
パオロ マウレンシグ

商品詳細を見る
本の面白さというのは必ずしもストーリーの面白さじゃないとは思うけど、かといってとにかくストーリーが面白い本というのは、それはそれで凄いのだと思う。久しぶりに飽きずに最後まで読ませるストーリーであっという間に完読。舞台がナチスの影が色濃く漂う時代のヨーロッパ。私生児として生まれた早熟な天才バイオリニストと、友人として登場する旧時代の閉鎖性を象徴するような貴族の子弟。ヨーロッパの匂いもプンプンしてよいなあ。

最初の話者はオークションでバイオリンを手に入れた男。次はその男にバイオリンを買いたいと申し出る自称小説家。さらにその次は、その小説家が出会った独りの辻音楽師(流しのバイオリン弾き?)。話しのメインはバイオリン弾きが自ら語る半生。天才と言われバイオリニストを目指す彼が、伝統的、いや時代錯誤で閉鎖的な名門とは名ばかりの音楽学校に入学する。耐え難いほどの音楽学校での救いはそこで出会った親友。無事音楽学校を卒業した直後に、その貴族の親友の屋敷(というか、もう城主の館)に招かれ、そこからタイトルのごとく「狂った旋律」の物語が語られる。一丁のバイオリンが幾人もの人生を歪めたとでも言うのか・・・そして最後のあっと驚く4人目の話者。この4人目が、最後の驚愕の事実で、本のエピローグとなっている。エピローグを読んで再度プロローグに戻ると、さらっと流してしまったプロローグが何だか予言染みて聴こえてくる。

デビューが50歳というPaolo Maurensig. これは2作目だそうで、そうなると1作目が気になる。気になって仕方ないのでポチってしまった。
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/163-48fc94eb

トラックバック

コメント

[C138] おー、おー

読書ペースが戻ってきたんだ! と思いながら読んだら、そういうことではなく、ストーリーのおもしろさ故? ぼくもポチろう!
  • 2011-12-04 12:25
  • さかい@tadoku.org
  • URL
  • 編集

[C139] いや?

がっかりさせるようですが、一番の理由は、この本1ページあたりの文字密度が低くて、しかも200ページしかなかったから早かったのだと思う。
  • 2011-12-04 12:50
  • Green
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - 1 2 34
5 6 7 8 9 1011
12 13 14 15 16 1718
19 20 21 22 23 2425
26 27 28 29 30 31 -

全記事

フリーエリア

フリーエリア