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The British Museum is Falling Down

ここでポチッたのはこの本。David Lodgeは初めて。自身で「コミックノベル」と呼ぶ、アカデミズム業界を戯画的に描いた小説を書いている人なんだって。笑った、笑った。これは面白いや・・・
The British Museum is Falling Down (Penguin Decades)The British Museum is Falling Down (Penguin Decades)
(2010/04/01)
David Lodge

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Lodgeはカトリックとして育てられため、作品の多くにカトリック性が登場するらしい。この本の主人公Adam Appleby、25歳にして既に3人の子持ちで貧乏学生。「The Structure of Long Sentences in Three Modern English Novels」というテーマで論文を書かにゃあならんのに、それも遅々として進まず、仕事も探さなけりゃならん、そして貧乏なくせに4人目の子供が生まれるかも?あ~~それだけは困る。2部屋だけの狭いフラットでもう1人赤ん坊がいたら、勉強机も置けない、第一家族が飢え死にする。問題は彼ら夫婦がカトリックで、つまり避妊は許されない、でもそれじゃあ破滅する。そんなこんなでおんぼろスクーターを駆り出し、今日も大英博物館のReading Roomへ向かう。Adamの奥さんはBarbara、そして3人の子供は、ClareにDominicにEdward。友だちは ”お前ら、アルファベットを最後まで制覇するのか?”と茶々を入れる。もうAdamは精神的に相当参ってしまい倒れる寸前。奥さんと子供たちはそんなAdamを知ってか知らずか(いや、知らない)ボケ役で全開パワー。

洗った下着がなくて焦るAdam。 
「パンツなんて穿かなきゃいいでしょ」 と奥さん。 「馬鹿言え!パンツ穿かないとチクチクするんだ!そんなんで1日Museumで座ってられるか!」 「じゃあ、私のを穿く?」 「俺にtransvestiteになれって言うのか!」
「transvestiteってなあに、パパ?」 と長女。 「ママに聞け!」
急いで前日穿いたパンツを拾い上げて洗い、グリルパンで乾かそうとしたら、目を離した隙に煙が出ている。 「ire」 と舌足らずな長男の声。見事に焦がす、ついでに火傷もする。「パパ、もっと!」 と舌足らずな長男はこの騒ぎがお気に召した模様。結局、奥さんの女性用下着を穿いて出かける羽目になる。
「ママが言ってた。transvestiteって女の人の服を着るのが好きな情けない男で、どうしてそんなことするのかって、頭がイカレてるからなんだって」 と再び長女。

大笑い。。。そんな情けなく甲斐性のない、でも一応インテリの仲間、でも心優しきのAdamクンの1日を描いたこの本。次から次へと難題がふりかかるけど、読んでいるこちらときたら大笑い。

エピローグはジョイスのPasticheなのだそう(だってジョイスは読んでない)。ほぼ4ページにわたってピリオド、カンマ一切なし。これは凄かった。血管が切れそうな勢いのフィニッシュ。他にもPasticheがあるってことだけど、読書歴が足りなく、古典も読まない非文学者の私は全くわからない。でも、わからなくてもどうでもいい。正直言えば、英国アカデミズムの風刺もカトリックの教義もわからん。まるで子供が大人の本を読んで全然わからなくても、妙なところで大ウケしているみたいな読み方で突っ走ったけど、それでも面白い。面白ければそれでいいのさ!
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[C149] またまた言い得て妙

どこが、って・・・

ここね

「まるで子供が大人の本を読んで全然わからなくても、妙なところで大ウケしているみたいな読み方」
  • 2011-12-17 23:32
  • さかい@tadoku.org
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[C150] 全くそうだからしょうがない

いえいえ、言い得て妙とか感心している場合ではなく、私は絶対にDavid Lodgeの王道をはずしてウケていたという自信があります。こんなところで笑っている場合ではなく、ホントはもっとふか~~い所に感心せねばいかんのではないか??(って言っているだけで、深かろうが浅かろうがどうでもいい、と実際には思っている・・・)

  • 2011-12-18 00:00
  • Green
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[C154] いえいえ

David Lodge は深くはないです。
少なくとも深さが魅力ではないと思うな。
  • 2011-12-24 15:51
  • さかい@tadoku.org
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[C155] ふ~~ん(としか言えない)

>David Lodge は深くはないです。
> 少なくとも深さが魅力ではないと思うな。

そうなんですか・・・(私にはよくわからない)
でもShopaholicの馬鹿馬鹿しさより、こっちの可笑しさの方が私のツボに入りました。
  • 2011-12-24 21:43
  • Green
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[C156] Shopaholic は読んでないけど・・・

David Lodgeはとにかくうまい。

次は Malcolm Bradbury を読んでみますか?
  • 2011-12-24 23:32
  • さかい@tadoku.org
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[C158] 薦めないでください

> 次は Malcolm Bradbury を読んでみますか?

そんなこと言うから1冊ポチッた。Amazon co.jpだと既に古本か海の向こうからやってくるのを待つしかない作家になっていた。
Wikiまでいって調査してきたら、あ~イギリス人って顔をしていて何故だか嬉しくなった。ほー、Kazuo Ishiguroは教え子ですか・・
  • 2011-12-25 01:08
  • Green
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[C160] そ!

Kazuo Ishiguroの師匠だけど、Booker賞は取っていないんじゃないかな?
  • 2011-12-25 21:44
  • さかい@tadoku.org
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[C161] ですが・・・

調べてまいりました。Booker賞は2度ショートリスト入りしてます。つまり2度取り損なっているってことか。

1984年
Small World (あ、ウチにあるじゃん)
* この年の受賞者は、アニータ・ブルックナー『秋のホテル』

1988年
Nice Work 
* この年の受賞者は、ピーター・ケアリー Oscar and Lucinda

David Lodgeってタイトルがいいですねえ。Small World に Nice Work。なんだか端的すぎて深読みしながら、先に笑ってしまうようなタイトル。。
  • 2011-12-25 22:00
  • Green
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[C162] 明けましておめでとうございます

一般的には small world も nice work も端的ではないと思われますが、言われればその通り、題名がすでに笑ってしまいますね。

ほかにはどんなタイトルがあったかな? wiki を観ると出てきますが、Changing Places からはじまる3冊がいちばんおもしろいかな? うちにあるはずです。そのうちお貸しします。

らいねんも、じゃない、今年もよろしく・・・
  • 2011-12-30 22:43
  • さかい@tadoku.org
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[C163] 明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

ははは。。。自分で買いますよ。気に入った本は持っていたいので。
いくら読んでも面白い本は出ているもので、私にとって本の世界は、small world とは反対側にある世界です。
  • 2012-01-02 21:05
  • Green
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Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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