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超哲学者マンソンジュ氏

Malcolm Bradburyは 「Cuts」 に続いて2冊目のこちら。文庫だけど¥620という値段に負け邦訳版にしてみた。翻訳はなんと柴田元幸氏。David Lodge の 「Small World」 を読みながら、Structuralismって何よ!と思っていたら、ここに登場。哲学も思想もまあ、いいか、の私には構造主義やディコンストラクションがわかった気になれる、便利な本かしらん。
超哲学者マンソンジュ氏 (平凡社ライブラリー)超哲学者マンソンジュ氏 (平凡社ライブラリー)
(2002/05)
マルカム ブラドベリ

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1960年代フランスに、実は知られざる重要な思想家がいた!? 
”1960年代、知のメッカパリに登場し、ロラン・バルトの薫陶を受け、ポスト・モダニズムの金字塔「文化行為としての性交」を世に問い、忽然と行方をくらました謎の思想家アンリ・マンソンジュ” って大流行した現代思想のパロディー本?Mensongeって名前がそもそもフランス語で「嘘」って意味らしく、どこまでホントなんだか・・・と思っていたら伝記もどきのフィクションなんだけど、大真面目で思想を語りながら、実はふざけているのか、おおふざけのフリをしてとっても真面目なのか?

余計なひと言が多くて、一文たりともチャラけずには終わらせないとでも言わんばかりの勢いで、そのうち読んでいる私は、その余計なひと言ばっかりに目を奪われ、本筋を見失う始末。しかもチクリチクリと洒落?皮肉?嫌味?を混ぜ込み、そもそもウソ?ホント?法螺?がテンコ盛り。これってまるで落語みたい。そう思わせるのは、翻訳のリズムが軽快だからなんだろうけれど、きっと原文もテンポがいいんだろうなあ。柴田氏、オースターや スティーヴン・ミルハウザー 、バリー・ユアグローの翻訳を読んだことはあったけれど、こういうタイプの本が向いているんじゃない(とえらそーに思った)。

傑作は、最後のパリ大学物語構造論教授ミッシェル・タルデュが書き、デイヴィッド・ロッジが英訳した「まえがき/あとがき」。褒めた挙句上から突き落とすがごとく、見事な洒落と自虐性。最初はこの「まえがき/あとがき」もブラドベリ本人が書いた洒落なのかと思ったら、訳者あとがきでこれはどうも本当の寄稿らしい(でもどこかなぜか胡散臭い)

大真面目で思想を語りながら、実はふざけているのか、おおふざけのフリをしてとっても真面目なのか?という疑問だけど、読書後、ある人たちは重箱の隅々に至るまで洒落と皮肉と嫌味とおちゃらけを穿り返して3日間語り続けることができるだろうし、実存主義と構造主義と脱構造主義とついでにソシュールとフーコーを3日間語り続けることができる人たちもきっといるはず。どっちも手抜きしていないところがとっても凄い。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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