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I Served the King of England

チェコの作家、ボフミル・フラバルは、私の本読み生活で現在進行形作家。翻訳されているのは、たぶん2冊のみだけど、英語で探すともう何冊か見つかるので、ボチボチと踏破しようかなと思っている作家です。

I Served the King of England (Vintage Classics)I Served the King of England (Vintage Classics)
(2009/08/06)
Bohumil Hrabal

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邦訳は、去年、池澤夏樹個人編集 世界文学全集 第3集で出版された「わたしは英国王に給仕した」。

ボフミル・フラバルの描く世界はチェコの庶民。ヨーロッパという所は国境が引かれているのが不思議になることがあるくらい、入り組んだ混じり合った世界で、そのmelting potぶりを私はこういった本の中で知るのです。
ぶっ飛んだ描写は、グロテスクでシュールだけど、カフカなどに代表される「不条理」というものの怖さは、その不条理が日常であったことなんだろうと思う。貧しさや悲惨さはリアルな描写より、彼が描くような”汚さ”の方がず~~んとくるものがあるし、悲劇は、彼の描くホラ話かと思うほどの可笑しさの方が、怖い。辛い時代でもたくましく生きた、まあ言うなれば美談は、ともすると平和ボケした人々のセンスの範囲内で道徳感をちょっと刺激するだけに終わったりするけど、その辛い時代に手段を選ばず何でもありで日々暮らす姿は、目を背けることを許さない凄みがある。

1989年の民主化を経て21世紀も10年超えた今になり、こういった作品に光が当たってきたわけで、これが不条理は不条理なんだという幸せなのかも知れない。事実を伝えるニュースも必要だけど、フィクションの世界を描ける本って大事だよね。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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