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バラルダ物語

”珍しいですね” と古本カフェのお兄さんに言われた。何言ってんだい!そもそもこの牧野信一なる作家のことを私に教えてくれたのはアンタでしょ。。。。牧野信一なる人は、1896年(明治29年)小田原に生まれた。東京と小田原を行き来する人生を送り、最後は39歳の若さで自殺を遂げる。そう、我が故郷の作家でありながら、我が高校の先輩で、そして恥ずかしながら初めて聞く名前だった。

バラルダ物語 (福武文庫)
バラルダ物語

「夢と快楽の夭折作家牧野信一の傑作作品集」と帯にもあるけれど、単に高校の先輩くらいじゃ、私は触手を伸ばさない。この人「ギリシャ牧野」と呼ばれたくらい何とも国籍不明の作風で、それならこの喰わず嫌いの私でもいけるかも・・・と思わせた。それと夭折の作家、特に自殺をしてしまった作家というのはやはりその人生が気になるもんだ。
「経験などというものは途方もなくツマラナく、創作の要は、結局おのれの『ピグメリアン』を育てるより他に希望はない」  (ピグメリアンってなに???)

出だしに面喰らい、話しについて行こうと中盤位まで頑張ると、そこには奇想奇天烈な展開が待っていた、そしてふと気付くと、何がどうしてどうなったのだかよくわからなくなり、話しは終了。すべての短篇はこんな風にして読み終わってしまった(あ~どうしよう・・・)

僕は、哲学と芸術の分岐点に衝突して自由を欠いた頭を持てあました。・・・・いつの頃からか僕は、自己の個性を3つに分けて、それらの人物を仮想世界で活動させる術を覚えて、幾分の息抜きを持った。・・・ (『吊籠と月光と』より)
3つの個性とは、”黄金の吊籠を渡し合う”呑気な芸術家、ストア派の血をうけて聖人の下僕たらんとする者、ピサの斜塔にいて金属製の球を落下してその法則を発見したあの科学者の弟子、なんだそうな。

上手いとか、美しいとか、そんなことはない(たぶん)。少なくとも脚光を浴びた作家とは言い難い。どうしてよいのやらと途方に暮れ、読み終わったあとグーグルでさまよってみた。相変わらず靄々は晴れないし持て余し気味。でも今はちょっと思う、この人は面白いんじゃないだろうか?
ちなみに彼のお墓は実家から徒歩10分程のお寺にあった。
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[C235] ピグメリアンは・・・

おそらく Pygmalion ギリシャ神話じゃなかったかな?

調べてみてください。どういう喩えかすぐわかるはず。
  • 2012-03-30 00:39
  • さかい@tadoku.org
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[C236] ピグメリアンはピュグマリオン

ピュグマリオン? ピグメリアン? ピグマリオン?英語をカタカナにする時はちょっと違うだけで、検索に上手くひっかからない・・・Pygmalionが一番ましだった。

って、ことでわかりました。わかってみれば、My Fair Ladyだの、以前に読んだ「未来のイブ」だの、これをネタにした作品はちゃんと読んでいた。
そうだった、牧野信一は「ギリシャ牧野」なんだった。

  • 2012-03-31 01:57
  • Green
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[C237] ギョエテとは・・・

俺のことかと ゲーテ言い

っていう川柳(?)があった、そういえば・・・
  • 2012-04-02 00:04
  • さかい@tadoku.org
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[C238] ギョエテはない・・・

発音がわからない、特に英語以外の言語をカタカナにしなければいけないときに、つかったこんなサイトにいって、Goetheを発音させてみた。
http://ja.forvo.com/word/goethe/#de

グウテはまだわかるけど、ギョエテはない。
  • 2012-04-02 01:04
  • Green
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Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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