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By Night in Chile

薄いからと気楽に手にとってみたけれど、途中で投げようかと思ったくらいしんどかった。会話も地の文も一緒くたで、ピリオドなしの数ページにも渡る文章があったかと思うと、下手ウマのようなぶつ切りの文章、くどいくらいの繰り返し、そして今回一番辛かったのは、パラグラフがない、全くなし。たかが130ページだけど、Bolanoの130ページは重い。一気に読めないと迷子になる (そしてなった)。
By Night in ChileBy Night in Chile
(2003/12)
Roberto Bolano、Chris Andrews 他

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と、仕方ないので、Google界をしばし彷徨ってみる。日本人で読んだことある人はいないのかねえ・・・日本語のレビューは全く見つけられないまま、えーごで頑張る。曖昧な部分を補給しまあ、何となく筋は繋がった(ような・・・)。

主人公、Sebastian Urrutia Lacroixはチリのカトリック教司祭(Opus Deiのメンバー)にて、詩人になりたくてなり損ねた人物。彼が臨終の縁から、我が人生の回想を語るので、およそ時系列に並んでは入るものの、自分の善と悪、聖人としてなのか人としてなのか、正義に反して生きてきた人生を後悔する半生が、どこか幻想的、悪く言えば妄想的に語られていく。時は、アジェンデ政権の終わり、司祭でありながら文学サロン(ここにはPablo Nerudaが登場)に出入りし、詩人や芸術家と関わりながらも、腐敗した教会の司祭として、その腐敗に加担もする。そしてピノチェトがクーデターにより独裁政権を敷いた後には、ピノチェトや軍の要人たちに、マルクス主義等々の講義を行い、その日和見主義、政権に擦り寄ることで我が身を保身することの後ろめたさ。最後のエピソードは、ピノチェトの秘密警察のメンバーであったアメリカ人と結婚したチリ女性の家で開かれる文学サロン、しかしその地下室では拷問が行われていることを知ることになる主人公の回想 (これは実際のモデルがいるらしい)。その後村八分にあったこの女性の口から出た言葉が 「That is how literature is made in Chile」

本を読むのもかなり苦しかったけれど、感想文を書くのも苦しい・・・ 筋がどうにか追えたからといってこの本が味わえたかと言うと、それには程遠いけれど、何だか怖い話しだった。2003年に没したBolanoの本はこれで全部読んだ、はずだったのだけれど最近新たに発見されたものがあるとどこかで読んだ。英語版が出ている模様。次はそれだな。。。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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