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汚辱の世界史

こんな文庫がでていた。1976年に晶文社から刊行された単行本『悪党列伝』を大幅に改稿して成ったもの、ってことだけど、興味を引かれたのは、これが彼の最初の短篇集だということ。元は1934年から1935年にかけて新聞掲載用に書いたボルヘスによるピカレスクヒーロー列伝(なんだろうか?)
汚辱の世界史 (岩波文庫)汚辱の世界史 (岩波文庫)
(2012/04/18)
J.L.ボルヘス

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汚辱の世界史 
ラザラス・モレル 「恐ろしい救世主」
トム・カストロ  「詐欺師らしくない詐欺師」
鄭夫人  「女海賊」
モンク・イーストマン  「無法請負人」
ビル・ハリガン  「動機なき殺人者」
吉良上野介  「傲慢な式部官長」
メルヴのハキム  「仮面をかぶった染物師」
薔薇色の街角の男
薔薇色の街角の男
エトセトラ
死後の神学者
彫像の間
夢を見た二人の男
待たされた魔術師
インクの鏡
マホメットの代役
寛大な敵
学問の厳密さについて

1954年版の序文が冒頭にある。
「自ら作品を書く勇気はなく、他人の書いたものを偽り歪めることで(時には正当な美的根拠もないまま)自分を愉しませていた臆病な若者――作品はすべてこの若者の無責任なひとり遊びである」
どうも史実というよりは、ボルヘス爺ちゃんの趣味の捏造も含まれているらしいけれど、文章は小難しくなく、そもそもみんな魅力的な悪人とか、詩的正義って好きだよね。ボルヘスの家族は英語とスペイン語が同じように使われ、5000冊を超えるという父の蔵書で最初は英語から読み始めたらしい。所謂世界文学全集にでてくるような英米系の作家に造詣が深いのはここが出発点だからと思われるけれど、ボルヘスが読んでいたのは、健全な児童文学ではなく蔭のヒーローたちのいかがわしい物語だったとか。。。 赤穂浪士の討ち入り事件まで登場させるとは恐れ入る。

そんなことより(?!)、同じく序文のこっちの言葉にう~~ん、と唸ってしまった。
読むという行為は書くことの後に来る。書くことにくらべれば忍従と礼節を強いられるが、それはより知的な行為なのである。
読む人ボルヘス・・・
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コメント

[C251] 読む人グリーンさん

・・・けれどもボルヘスも書いたよ!
  • 2012-04-30 22:57
  • さかい@tadoku.org
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  • 編集

[C252] で、何がおっしゃりたい?

書くことの後に読むことが来る?書かないと読めないのか?じゃあ、私が読んでいる(と思っているのは)まだまだ読んだことになっていないのね・・・
で、書けと??
  • 2012-04-30 23:53
  • Green
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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