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ポオ小説全集2

その他の短篇。
ポオ小説全集 2 (創元推理文庫 522-2)ポオ小説全集 2 (創元推理文庫 522-2)
(1974/06)
エドガー・アラン・ポオ

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『沈黙』
ショートショート。ポオっぽいと云えば、ポオっぽい。
『ジューリアス・ロドマンの日記』
こちらも冒険物で、場所はアメリカ・ロッキー山脈横断。これも尻切れトンボで貫徹させないで終了。
『群衆の人』
異常な様相で歩き続ける男をずっと尾行する
『煙に巻く』
クスっと笑って終わらせる。高尚な嫌味?
『チビのフランス人は、なぜ手に吊繃帯をしているのか?』
何だか、ベタなオチだった。こんなオチもポオにはあったのか。。。

さて、何が面白かったかというと、『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』を別格とすれば、『群衆の人』 
衣装で階級を見分けていく主人公の観察眼の鋭さは、すなわちポオ自身の観察眼なんだろうけれど、1840年の作品ということで、その頃のロンドンの風俗描写も面白い。どの分類に属さない一人の老人に興味を持ち、尾行しようと決めた主人公が2日間ロンドンを歩き続ける。人混みではゆっくりと、人影のないところでは、老人と思えない速さで通り抜けようとする。行きつ戻りつ、粛々と歩き続ける老人。ストーリーは徐々に無気味さを増すけれど何も起きない。2日後歩き続けた主人公が業を煮やし、老人に面と向かっても彼は気付かない。現代小説のテーマになってしまいそうなこの「群衆の中の匿名の個」をこの時代に既に描いていたポオ。本の冒頭には、ラ・ブリュイエールの『The Characters of Man』から、「ただ一人いることに耐えぬという、この大いなる不幸」 という一文が引用されている。そして、追跡をあきらめた主人公は、この老人は「深い罪の典型であり本質」であり「群集の人」なのだ、と結論付けている。

ポオはアメリカでは長いこと正当な評価を受けていなかったが、ヨーロッパでの影響力は大きかったとか。この本の巻末もシャルル・ボードレールの解説付(!) ポオの作品の面白さは、邪悪性と美意識。美しいけれど邪悪で、邪悪だけど美しい。
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