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二度生きたランベルト

「猫とともに去りぬ」が面白かったので、早速Gianni Rodariをリピート。
原題 『C'era due volte il barone Lamberto』 は直訳すると「昔々ランベルト男爵が2度いた」っていう言葉遊びらしい。副題は、 ”ovvero i misteri dell' isola di San Giulio ”「サン・ジュリオ島の不思議」 お話しの舞台、サン・ジュリオ島は、北イタリアはマッジョーレ湖の近くにあるオルタ湖に浮ぶ小さな島で、イタリアで一番美しい村と呼ばれているらしい。
二度生きたランベルト二度生きたランベルト
(2001/05)
ジャンニ ロダーリ

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さて、そのサン・ジュリオ島に住むランベルト男爵は御歳93歳。世界中に24の銀行を持つ大富豪だが、本人さえも把握しきれない程の24の病気を持っている。いつも傘を手放さない忠実な召使のアンセルモは、ちゃんとすべてをわかっていて、誠心誠意ランベルト男爵に仕えている。しかしエジプトの隠者から秘伝の若返り方を聞きだし、男爵はどんどんと若返る。その秘伝というのが、”ランベルト”を連呼させること。何でも、『名前を呼べば命は不滅』なのだそう。そこで法外な給料で6名を雇い、屋根裏部屋に住みこませ、交代で ”ランベルトランベルトランベルト” と連呼させる。一方甥のオッタヴィオは遊蕩三昧で借金をこさえ、ランベルト男爵が自分に遺産を残して、早く死んでくれないかなあ、と待っている。ある日ランベルトの屋敷に24人の賊が侵入し島ごと占拠してしまう。億万長者のランベルトを人質に身代金を要求するが・・・・

「名前を呼べば、命は不滅」とは、死んだ後でも語ってくれる人たちがいる限り生き続けることができるという意味だそうだけれど、それを文字通りお伽噺に仕立ててしまったらこうなったらしい。屋根裏部屋の6人は普通の庶民で、毎度の豪華な食事もいいけど、時にはポレンタが喰いたいとか、空き時間に編み物をしたいだの、窓から死んだ湖、オルタ湖に釣竿を投げている奴とか、コントのような会話は今回も楽しい。甥のオッタヴィオの策略で睡眠薬を飲まされ、ランベルトを連呼する6人が眠りこけているうちに、ランベルト男爵は死んでしまうが、タイトル通り、再びのランベルトコールで見事に生き返り、10倍速モード(笑)のランベルトコールで、さらに進化(=若返るってことね)し、とうとう13歳のランベルト坊ちゃまになってしまう。そして夢だった曲馬団サーカスになる人生を選ぶというエンディング。それにしても私が気になるのは、常に傘を手放さず、ご主人にけなげに使えるアンセルモ。彼は若返ったりせず、今度は13歳の坊ちゃまに仕えるのよね、きっと。この話しの中で一番イイ人はアンセルモで、私はすっかりファンになっただけに、彼の行く末が心配だわ。

美しい村、サン・ジュリオ島の写真をおまけに。この写真はいかにも観光名所的な写真だけれど、ググってみるとここを旅した人たちの、日常的ででも美しい写真が満載のブログがあったりして楽しい。
ランベルト
オルタ湖は1970年代に一度環境汚染で、生物が死に絶えてしまったけれど、今日では甦ったらしい。物語の最後に、死んだ湖、オルタ湖にずっと釣竿を垂れていたジャコミーニさんが800gもある魚を釣り上げる。Gianni Rodariはこういう小さな細工が本当に上手い。
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