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カスパー・ハウザー 地下牢の17年

古本カフェで見つけ何となく買ってしまった(薄いし、安いし)。
カスパー・ハウザー―地下牢の17年 (野生児の記録 3)カスパー・ハウザー―地下牢の17年 (野生児の記録 3)
(1977/01)
アンセルム・リッター・フォイエルバッハ

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カスパー・ハウザー、地下牢で外部との一切の接触がないままずっと閉じ込められ、人間社会に突如現れたドイツの孤児で、19世紀最大の謎の1つと言われるほど有名な存在。その存在自体も謎だけれど、彼の出自がバーデン大公家の世継ではないかという風評が飛び交うなど、そっちの方面でも有名になり、最後は暗殺されてしまう。

この本の著者は、カスパーを調査したアンセルム・ヴォン・フォイエルバッハという法律家。19世紀の出来事だから、現代だったら科学総出で彼を分析しまくっただろうけれど、当時の資料もすべてが現存しているわけではなく、この本はどちらかと言えば、そういった医学的見地からの分析や考察よりは、宗教も含む人文的(?)見地の考察が主になっている。総合的なカスパー・ハウザー本ではないけれど、興味本位の俗本でもないあたりは好感が持てる。そもそもヨーロッパにはカスパー・ハウザーに関する文献は多いし、特にバーデン大公家の世継ぎで政治的策略から軟禁状態に置かれたという説は(証明はされていないらしい)有名だから、当時の政治勢力やら地理的背景やらまで知ろうと思ったらこれは私には手が負えない。

絵に描かれた馬と、本物の馬の区別がつかないとか、ものの距離感が掴めないとか、動物と人間の区別がないとか、どうしても神の概念が理解できなかったとか、彼の知覚や感覚の特異性は興味深い。人間の能力というのは、環境が違えば自在に発達するものなんだと感心した。それを奇異だと決め付ける観察する側の人間には、我々こそが正当という無意識の驕りがあるんだろうなあ (と、そんな結論)。
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