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The Poet

実は「Narrows」を読み始めるつもりだった。そしたらその前篇が「The Poet」だと言われ、Boschシリーズじゃないから飛ばしてしまったのだけれど、順番通りに読むと面白さ倍増のこのシリーズのために、仕方なく(笑)急遽古本で一番安いものを手配した。Michael Connellyの本のいいところは、古本でも日本のAmazon出品者が持っていて、PBなのに更に安く早く手に入ること。確か「A Darkness More Than Night」で今回の主人公Jackがちらりと登場し、The Poetの話しにさらりと触れていた。シリーズものだけ読めばいいってことはなく、こうやってシリーズを跨いで連携させていく商法に、仕方ない、上手く乗せられてみるか。。。
The PoetThe Poet
(2012/01/01)
Michael Connelly

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主人公Jackはジャーナリスト。殺人課にいる双子の兄Seanが自殺したという事件からこの話しは始まる。状況証拠は自殺だが、納得出来ないJackは兄の自殺を調べ始める。現場に残されたメッセージは、エドガー・アラン・ポーの詩の一節、Out of Space. Out of Time. やがてJackは何人かの刑事が同じような自殺を遂げ、そこにポーの詩の一節が残されているという事実を突き止める。JackはFBIがその捜査を秘密裏に開始したことを知り、その捜査に加わることを許された。Gladdenという謎の男の行動が時折章を割って挟まれる。この男、どうも児童ポルノを撮影しては闇で売り捌く男で、ポーの詩を残す刑事殺人者をFBI内ではThe Poetと呼んでいたことから、やがてThe Poet = Gladdenとして犯人は特定され、彼を追う捜査が続く。

Connelly作品を読んできたけれどその中でもかなりハイテンポ。要はGladdenを追う展開なのね、とわかっても途中までは結構ワクワクした。もっとも最後のどんでん返しでGladdenが図星じゃないんだろうなあ、と想像はしてみても、それはそれで面白い。が・・・・ どうも終盤から不満が溜まり始める(結末知りたさでペースは全然落ちないんだけど)。やっぱり主人公Jackがいまひとつ格好良くない。Boschは出来過ぎだから比べても仕方ないが、あそこまで謎解きをしちゃうのは記者ながらあっぱれとはいえ、FBIとの取引で捜査に加わるあたりも、女性FBI捜査官のRichelと仲良くなっちゃうあたりも、そのRichelの元夫に対する嫉妬心剥き出しのえげつない言葉の応酬も、Gladden捕物帖で余計なことをするあたりも、その後出版社に売り込みにいくあたりも、つーか、若気の至りなのか出世意欲満々のアメリカンなのか、公私混同、自意識過剰がどうも気に障るし、しかも案外脇が甘い。

で、いつものどんでん返しは、Richelの不審な行動があまりにもあからさまに散らばりすぎていて嘘臭い、と、ここまでは想像できたが、その先はあ~~そうきたのね・・・とそこは読めなかった(残念!)。で、生死不明の本物のThe Poet、FBI捜査官のBackusの背景と動機は結局なんだったのか明かしてくれなかった。この解決したようなしないようなエンディングは、きっとこの先またThe PoetがConnellyの作品で使われるってことだよね(当たり?)。唯一の救いは、JackがMarlboro Manに父の姿をだぶらせて、彼に電話をするシーン。言葉少ないお父さんはMarlboro Manのイメージそのものの、アメリカの古きよきヒーローで、今もなお正義のヒーローなんだろうか?生き馬の目を抜くジャーナリズムのドロドロした世界や、腐った組織FBIや、児童虐待や、病んだアメリカの象徴みたいなものを一杯読まされて、このMarlboro Manのお父さんだけが私には救いに思えた。

さ、これで心置きなく「Narrows」に行ける。
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コメント

[C269] あれ?

ああ、kindle版は日本からは買えなかったのかな?
  • 2012-07-11 00:35
  • さかい@tadoku.org
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  • 編集

[C270] なかったんです

Amazon USAにいって探したんですが、古い作品だからなのか、Kindle版はなかったんです!
でも私¥351の古本買いましたから、Kindleよりお安いですわよん~
  • 2012-07-11 13:19
  • Green
  • URL
  • 編集

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Author:Green
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流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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