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ナペルス枢機卿

ボリュームの少なそうなものからチビチビと消化している「バベルの図書館」シリーズ。
ナペルス枢機卿 (バベルの図書館 12)ナペルス枢機卿 (バベルの図書館 12)
(1989/04/21)
グスタフ・マイリンク

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「J・H・オーベライト、時間―蛭を訪ねる」
「ナペルス枢機卿」
「月の四兄弟」

Meyrinkと云えば、「ゴーレム」。読んだことはないし、Meyrinkの作品もこれが初めて。幻想作家というくくりもあるらしいけれど、彼自身の経歴をボルヘスの「序文」で読む限り、これはオカルト、魔術の世界。ウィーン生まれのMeyrink。母親は女優で、旅回りの途中で出産する。父親は当時の国務大臣で正式に認知されず、つまり大物政治家の私生児だった。後にMeyrinkは銀行を設立するが、この資金を出したのは、大臣である父だと言われている。オカルティズムに関心を持ち、いくつかのオカルト結社とも関係し、それにのめりこむ彼の作品は、生きながらに既に此の世にはいない人々ばかり。「序文」によれば、Meyrinkは、
死者の国は生者の国を侵犯し、われわれの可視の世界は絶えず不可視の世界の侵入におびやかされていると信じていたのであった。

ストーリーのために魔術の要素を拝借したのではなく、ユダヤ教、キリスト教、東洋の神秘思想を学び、自身もプロテスタントから大乗仏教徒に改宗し、新プラトン派やグノーシス派の哲学、錬金術やカバラの思想、バラモン教や道教などの東洋思想まで取り込んだ作品を書いた彼自身の内面から生まれた作品であることは明らか。でも実際のところ、現世への希望を捨てさり、あの世と関わるこれらの作品から、彼が狂気の天才だと安直に思うことは出来ない。3篇とも結局、その生きる死者たちが厭世的な世界で報われるという結末じゃないし。「ゴーレム」も人造人間の怪奇物語だと思うと、どうも違うらしい。

とりあえず「ゴーレム」は入手可能なのか調べてみるとするか・・・
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[C292] ゴーレムというのは・・・

チェコの民話に出てくるのかと思ってましたが、どうなんだろう? しらべといてください。

いまちょうど Golem's Eye というファンタジーを呼んでいる。
  • 2012-08-09 00:45
  • さかい@tadoku.org
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  • 編集

[C296] Re: ゴーレムというのは・・・

チェコの民話にありました。結構有名みたいです。
元々はユダヤ伝承の動く泥人形だそうで、呪文をかけると動き出し、別の呪文をかけると泥に戻るとか。。。

チェコ版は、チェコがまだボヘミア王国だった時代、ルドルフ2世の御代、レーウというラビが創造しちゃった泥人形で、モルダウ川の底泥を使って作り、プラハのユダヤ人街を守ったらしい。どうもプラハのシナゴークで絵本が買えるようです。この絵本がなかなか綺麗なのです(グーグルの画像だけど)。

以上、簡単ですが。
  • 2012-08-10 00:49
  • Green
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