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The Cat's Table

実はこれがKindle for iPhoneで完読した最初の本。6月に買ってから3ヶ月以上。無料のサンプルも入れたら5~6冊購入してやっとこれで最後まで行き着いた。Kindle for iPhoneは立っていても、数分の隙間時間でも読める半面、しっかり座ってしまうと開く気になれない。ちょっと齧ってほったらかし、別の本をちょっと齧ってほったらかし、と気が乗らなければ投げ本にするには、絶好のツールだとも言える。
The Cat's TableThe Cat's Table
(2011/10/04)
Michael Ondaatje

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Michael Ondaatjeと云えば、ブッカー賞をとりアカデミー賞までとった 「The English Patient」 (何となく見た記憶あり)。今思い出したけれど、邦訳で 「ディビザデロ通り」 も読んでいた。そんなぼお~~としたイメージで読み始めたけれど、やっぱりそんな(あんな?)感じの本だった。

彼自身も生まれは英連邦セイロンのコロンボで、11歳の時にイギリスに移住したということだけれど、この話しもやはり11歳の少年がコロンボからイギリスへ向かう3週間の船旅の話し。船旅の仲間はそこで知り合った同年代の少年二人。そして同じく同船した曰くありげなな大人たち、子供たち。11歳の少年らしく、あっちこっちをうろつきまわり、時には盗み見や大嵐の襲来を喰らったり、乗船した大人たちから文学の手ほどきを受けたり、変な植物学者に付きまとったり、病床の貴族に出合ったり、憎たらしい船長とやりあったりという ”冒険” を経験する。

一言で言えば、少年が大人になる時には多かれ少なかれ通り過ぎる通過儀礼の物語だけれど、コロンボから乗船し、インド洋を過ぎ、スエズ運河を通り、地中海へ抜ける3週間の出来事を時系列に追っていくだけではなく、間々にイギリスに渡った後の後日談が挟まれるという多重構成。正直言えばこの後日談が現れる中盤以降はちょっと面白いけれど、船上生活に戻されるとちょっと退屈。ただ最後まで読みきると、この本は3週間の航海を主軸にしているように見えて、実はサブラインのはずの後日談のために航海があるような気がしてきた。そして少年が大人になる物語であるフリをしながら、実はその大人たちの悲しいお話しなのかもとも思えてくる。いや、そんな風に思えてしまうのは、私が ”子供が大人になっていく” 的な御話がそもそもあまり好きではないからなのかもしれないけれど・・・

それにしてもMichael Ondaatjeという人の書く文章はなんともメランコリックでロマンチックで美しい。ま、ちょっと美しすぎて生臭さに欠けるところが、個人的にイマイチ感があった理由なのかも知れない。
We all became adults before we were adults.
なんて書かれると、ついそっぽを向きたくなる。
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[C328] へぇー!

We al became adults before we were adults... いいと思うけどなあ! どうしてそっぽを向きたくなるのか、知りたいです。
  • 2012-10-10 23:29
  • さかい@tadoku.org
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[C329] Re: へぇー!

上手いこと言うなあ・・・と思う反面、キレイすぎてウソっぽいから?
  • 2012-10-12 00:24
  • Green
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Author:Green
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