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四人の申し分なき重罪人

「木曜の男」 の後は、ブラウン神父シリーズに行く予定だったのだけれど、Kindle版をタダ同然で手に入れた後はほったらかし。で、こちらから。
四人の申し分なき重罪人 (ミステリーの本棚)四人の申し分なき重罪人 (ミステリーの本棚)
(2001/08)
ギルバート・キース チェスタトン

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粗筋はAmazonからのパクリ。
特種を追って世界中を駆けめぐる新聞記者ピニオン氏は、ロンドンで4人の不思議な人物に出会った。「誤解された男のクラブ」の会員である彼らは、やがてそれぞれの奇妙な体験を語り始める…。着任早々の総督はなぜ狙撃されたのか、エジプト近隣の植民地で起きた事件の意外な真相を明かす「穏和な殺人者」、芸術家の屋敷の庭の片隅に立つ奇怪な樹をめぐる恐ろしい秘密の物語「頼もしい薮医者」、大実業家の息子はなぜ不手際な盗みを繰り返すのか、その隠された動機を探る「不注意な泥棒」、学者に詩人、質屋に将軍―〈真の言葉〉の下に集う4人の同志は何をたくらむのか、ある王国で起きた革命騒ぎの皮肉な展開「忠義な反逆者」の4話をおさめた連作中篇集。奇妙な論理とパラドックスが支配するチェスタトンの不思議な世界。

Chestertonはやっぱり天才だ・・ こんなプロットを考えられるだけで天才。奇妙な犯罪を犯した4人の話しだけれど、所謂どんでん返しというヤツが最後に待っている。でもこれがひっくり返るといよりは、ねじれる感じが脱帽もの。ミステリーというより ”謎解き” 仕立ての寓話と云った方がいい。得意の逆説だらけの文章のオンパレードで、頭もねじれるけれど、一緒に首までねじってしまいそうになる。
単純な者の動機は複雑な者の動機より複雑である。単純な者というのは、自分の感情を整理しないし、その結果、行動の動機はさらに謎めいたものになる。ことに、後になってもその謎を解いてみせる気がない場合には。

植民地批判や、進化論、社会主義と宗教の相克、革命思想など当時の世相、思想を背景に盛り込んでいる (と、あとがきの解説で読んで、あ、そうか・・・と気付いた私)。 評論的見地からはごもっともな論評だけれど、それがあってもなくても充分面白い。

最後に、この原題は 「Four Faultless Felons」 見事な韻である。。。
そして4話それぞれのタイトルは、
「穏和な殺人者 (The Moderate Murderer)」
「頼もしい藪医者 (The Honest Quack)」
「不注意な泥棒 (The Ecstatic Thief)」 
「忠義な反逆者 (The Loyal Traitor)」 

逆説に満ちた命名も凄いけれど、その音まで考えたと思われる美しいタイトルたち。凝り過ぎだよ。。。
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