Entries

見えないグリーン

見えないグリーン=Invisible Green が原題。私のハンドルネーム、Greenに反応したわけではなく、どうもチェスタトン繋がりで、発掘したと思われる(記憶なし)。ミステリー物としては、この文庫で復刊されるまでは幻の名作だったらしい。
見えないグリーン (ハヤカワ・ミステリ文庫)見えないグリーン (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2008/09)
ジョン スラデック

商品詳細を見る
私はミステリー物は時々読むけれど、特段執着はないので知らなかったけれど、ミステリーにも色々あり、これはトリック重視、というかパズル的トリックがひたすら売り物の一作らしい。そういうクイーンとかクリスティーのような作品はそういえばほとんど読んではいない。何が違うかというと、とにかく設定の妙、二度目に読めばなるほど、ここにこんな伏線が、というような構成の仕方、盲点をつくような発想など、とにかく正統派、ガチガチの本格ドラマ。こういうものは登場人物のキャラクター設定とか心理描写とかは案外薄くて、ドキドキやハラハラという最後に向けての盛り上がりがあるというよりは、平坦な流れ。殺人の動機などは俗っぽかったりする。今回も動機は要は地上げのために邪魔な人間を殺してしまう、ということだけれど、人が殺されるドロドロ感は全くなくて、まあ、ゲームに近いくらいのドライさ。

戦前、ミステリ同好会 「素人探偵会」を結成していた、年齢も職業もバラバラな7人の男女が、自然消滅から35年を経て、メンバーの一人の女性が、再度結成を仲間に呼びかける。その途端、メンバーの一人が不審死を遂げる。現場はトイレという密室。その女性が、知り合いの素人探偵サッカレイ・フィンに、彼の死は殺人ではないか、と捜査依頼をする。そして、第2、第3の殺人が起きて・・・ という確かに正統派なストーリー。探偵のサッカレイ・フィンは、重厚だとか冷酷な知性派とか、洒落た紳士でもなく、庶民的といえば庶民的な探偵さん。第1の殺人事件の被害者は妄想的な言動で周りから疎まれていた老人で、この老人が「グリーン」なる人物に脅されていた、というところからタイトルのグリーンは来ているのだけれど、Invisibleというだけあって、登場人物の一人ではなく、「グリーン」は登場人物の中の誰なのか?という謎解きになっている。

犯人が誰なのか、細部に渡って読み解くようなマメさは私にはなく、いつもの調子でさらさら読んでしまったら、最後の最後までグリーンって誰なのか教えてくれない。そして正統派らしく、サッカレイ・フィンが登場人物をみんな集合させて、事件の真相=謎解きを明かす語りで終了、という、アガサ・クリスティばりの展開。理論的このうえないトリックなんだけれど、わかってしまうと案外地味で泥臭いオチ。つまり結果の問題じゃないんだ、こういう本って。。
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/312-9a49f311

トラックバック

コメント

[C340] 今回ばかりは・・・

すっかり読んだ気になって、本は読む気ないぞ・・・!
  • 2012-11-10 22:57
  • さかい@tadoku.org
  • URL
  • 編集

[C343] 読んだ気

いいですよ、読まなくて。そんな時間があるならお貸し出し中の本のページでもめくってください。
私なんて読んだクセに全然読んだ気にになれない。
  • 2012-11-11 00:09
  • Green
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - - - 12
3 4 5 6 7 89
10 11 12 13 14 1516
17 18 19 20 21 2223
24 25 26 27 28 2930
31 - - - - - -

全記事

フリーエリア

フリーエリア