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ウィーン世紀末文学選

ウィーンは言わずと知れたオーストリアの首都だけれど、何も知らなかった頃は(学生時代、世界史はそのカタカナの羅列に負け、好きではなかった)、ドイツと一緒くたになっていた。オーストリアとドイツはドイツ語が母語だという以外は、実は密かに敵対する(?!)国で、それに気付いたのはオーストリア人と知り合いになったことから始まる。彼の言葉の端々にオーストリアの誇りみたいなものを感じた次第。オーストリアはドイツ(ナチス)に併合されたわけだし、何といってもオーストリア文化はドイツのそれとは絶対に一緒には出来ないわけで・・・ 
ウィーン世紀末文学選 (岩波文庫)ウィーン世紀末文学選 (岩波文庫)
(1989/10/16)
池内 紀

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ドイツ文学者、池内紀氏が、長らく親しんできた作品の中から、面白いと思うものを集めたというアンソロジー。
「レデゴンダの日記」(アルトゥール・シュニッツラー)
「ジャネット」(ヘルマン・バール)
「小品六つ」(ペーター・アルテンベルク)
「バッソンピエール公綺譚」(フーゴー・フォン・ホフマンスタール)
「地獄のジュール・ベルヌ/天国のジュール・ベルヌ」(ルートヴィヒ・ヘヴェジー)
「シャイブスの町の第二木曜日」(フリッツ・フォン・ヘルツマノフスキー=オルランド)
「ダンディ、ならびにその同義語に関するアンドレアス・フォン・バルテッサーの意見」(リヒャルト・フォン・シャオカル)
「オーストリア気質」(エーゴン・フリーデル)
「文学動物大百科(抄)」(フランツ・ブライ)
「余はいかにして司会者となりしか」(アントン・クー)
「楽天家と不平家の対話」(カール・クラウス)
「すみれの君」(アルフレット・ポルガー)
「落第生」(シュテファン・ツヴァイク)
「ある夢の記憶」(リヒャルト・ベーア=ホフマン)
「ファルメライヤー駅長」(ヨーゼフ・ロート)
「カカーニエン」(ロベルト・ムージル)

世紀末ウィーンは固有名詞にもなる程の「史上まれにみる文化の爛熟を示したオーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーン、およびそこで展開された多様な文化事象の総称」(Wikiより)。美術(クリムトとか)、建築(オットー・ワグナーとか)、音楽(マーラーとか)、演劇(シュニッツラーとか)、精神分析(フロイトとか)、そして文学然り。腐る寸前の果実は凄まじく美味いということか。。。その中心はユダヤ人でありながら、反ユダヤ主義も根強く、ここに登場する16人の文学者たちも、ナチス台頭とともに亡命した者の多いこと、多いこと。

ツヴァイクやヨーゼフ・ロートくらいしか手を出していなかったので、取っ付きにくそうなシュニッツラーやホフマンスタールやムージルなどは初体験。「シャイブスの町の第二木曜日」 「文学動物大百科(抄)」 「オーストリア気質」が個人的にはベスト3。とはいえ、「すみれの君」の古式ゆかしい伯爵の物語はウィーン臭満載だし、相変わらずツヴァイクの暗さも良かったし、「ファルメライヤー駅長」はロートらしくドラマチックでロマンチックで捨て難し。。

さて、ここから私のウィーン世紀末はどう発展するのやら・・・
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