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Zbinden's Progress

「Swimming Home」を買いながら、ついでにAnd Other Stories社のサイトで見つけた。Christoph Simonはスイス在住の実はまだとても若い作家(1972年生まれ)。でもこの本はBern Litenature Prize を2010年に受賞したという。ググっても日本語なんてでてこない。日本人でいったい何人の人がこの本を読んだかと思うと、私は貴重な存在だね・・・
Zbinden's Progress - Christoph Simon
zbinden

Lukas Zbindenは80歳も過ぎたケアホームで暮らす老人。この本は最初から最後まで彼のモノローグ。子供の頃の話し、ケアホームの人々、教師として働いていた頃のこと、少々彼の人生哲学、そして今は亡き、最愛の妻Emilieのこと、そしてEmilieと歩いた日々のこと。He loves walking. このwalkingを単に散歩と言い切ってしまってはいけない。歩くことはすなわち人生そのもの。Walking is going for a walk だと・・・ Lukas と Emilie は全く違うタイプ。社交的でとにかく活動的で愛情に溢れたEmilie対して、決して人付き合いは得意ではなく、ちょっと不器用でシャイでエキセントリック、息子ともしっくりこないLukas。でも彼の語りは芸術的だし、哀しげだけれど、悲観的ではない、むしろ80歳を過ぎ、妻を泣くし悲しみに暮れても、それでも歩き続ける。彼が生きてきた人生に登場した人々のいくつものエピソードは時には可笑しいし、Emilieを語るときはいつも、どんなに彼女が素晴らしい女性だったかをこれでもかと語る。

Going for a walk is: acquiring the world. Celebrating the random. Preventing disaster by being away. ....
Going for a walk is: always wishing for a little more than a walk can offer, but never wishing for it so much that you get discouraged.


若いChristoph Simonが80歳を超えた老人のモノローグを書くと、確かに美しすぎるのだけれど、説教臭さとか押し付けがましいところはない (上手な訳で新潮クレストブックスあたりで邦訳版出したらどうだろう?)

Walkingは人生のすべてを癒してくれる。倦怠から、怒りや不安から、欲や身勝手さや後ろ向きな気持ちから。歩けば全てが解決するというのは、あながち間違いじゃないと私は思う。人生は良いものかも知れないと、ちょっと思えてくる。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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