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黄色い雨

ラテンアメリカには早々に手をだしたものの、長いことスペインは空白地帯でした。本との出会い方というのは、だいたい芋づる式になっていて、ある1冊から伸びた芋づるが別の本に繋がる、そしてその先にまた芋づるが伸び・・・という具合。スペインへと繋がる芋づるが現れぬまま、ある日装丁買いのおかげでスペインに踏み込めた、それがこの本。
英語なら「The Yellow Rain」 by Julio Llamazares

黄色い雨黄色い雨
(2005/09)
フリオ・リャマサーレス

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日本語だろうと英語だろうと、通常文章というものは、段落の始めは1文字下がりで始まるけど、この本は最初が1文字上がり、それ以降はずっと1文字下がり。さらに改行で済まされるはずの段落の区切りには、1行分のスペースが出来ている。この視覚効果、読む者に息継ぎをさせ、何もない1行で一瞬の沈黙を味あわせる。

スペインの過疎の村。村人はみな出て行ったが、一人の老人とその妻と犬だけが残る。妻は自殺し、犬の死期を悟った老人は、最後に残してあった一発の銃弾で犬を殺し、後はただ自分が死んでいくのを待つ。暗いと言ってしまえばそれまでだけど、重苦しい生と死の問題ではなく、どうにも美しく簡潔な断片が静かに並ぶだけ。

翻訳者の木村榮一さんが、どうしてこの本に出会ったかを後書きで書いてくれていますが、スペインの小さな村の小さな本屋で、本を愛するそこの主人と言葉を交わすうち、「黄色い雨」を薦められたそうです。古本屋で本を買ってしまうのは、そういうことなんだよな・・・と我が身を振り返りながら思った。古本屋で本を買うと、無言で会計を済ませるなんてない。少なくとも2言3言、下手したら数十分話してしまう、いや、買った本のことじゃなくて、別の本の話しなんかしてたりするんだけど、そういう芋づるっていいよなあ。Amazonでポチるの自粛しようかな。

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Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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