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映画:人生万歳

お正月休みくらいじゃないと、途中で眠らずに2時間映画を見ていることは不可能。。。新年明けまして、第1回目はWoody Allen の2009年製作の 「Whatever Works」。 Woody Allenももう77歳だと。これは記念すべき40作目。その昔、マンハッタンを舞台にした 「Annie Hall」 や 「Manhattan」 も面白かったけど、 「Play It Again, Sam (ボギー!俺も男だ)」 とか 「Sleeper」が実はかなり好き。でも最近の映画はほとんど見てないなあ。 ”終わりよければすべてよし” とでも云うのか、”何でもあり” とでも云うのか、”ま、いっか” ってな感じのタイトルをつけちゃった往年の皮肉屋Woodyはどんな爺ちゃんになったんだろう?
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ラリー・デヴィッド、エヴァン・レイチェル・ウッド 他

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あれ、Woody Allen本人?思ってしまった主人公(でも身長が高いから違う・・・)ボリスは、自称元ノーベル賞候補の物理学者で、世界は阿呆ばかりと言い切る偏屈でペシミスティックで風采の上がらない初老の男。自分は頭が良すぎて、人生の空しさを知り尽くし、画面から私たちに向かって、うるさいくらいに大演説をぶるところからスタート。揚句に「自分はいやな奴だ。この映画を見ても気分よくはならない」だとさ。。。そこに突然南部の田舎町から家出してきたメロディという若くて可愛い、でもお馬鹿な娘が家に転がり込み、居座ることになってしまう。ボリスの辛辣な口攻撃に全くめげないこの能天気なお馬鹿娘とはなんと結婚しちゃう。さらにそこにメロディの母親が登場し、浮気して家族を捨てたメロディーの父親も登場し、ボリスの友人やメロディの母親が差し向けた役者の卵のランディやらが登場し、頓珍漢な登場人物たちのドタバタコメディーと化していく。

何が面白いって、随所に散らばった小技の数々。「カーツ大佐(地獄の黙示録でマーロン・ブランドが演じた狂人ね)は“闇の奥”で、恐怖だ、恐怖だ、と言った。いまの新聞を見れば、カーツ大佐は自殺しただろう」とボリスに言わせちゃったり、空腹で死にそうなメロディにイワシの缶詰を喰わせたり、ベートーベンの運命を流しながら、メロディーの母親を登場させたり、お馬鹿娘が、ボリスと結婚して会話の端々に量子力学だの何だのという空虚な受け売り言葉を喋らせたり、なぜか近所のガキにチェスを教えているボリスが子供を罵倒するところとか、枚挙に暇なしの抱腹絶倒のセリフの洪水で、思わずメモを取っておきたくなるほどのネタが散りばめられている。役者が揃いも揃って巧いのもさずがにWoody Allen。お馬鹿娘がどことなく垢抜けてきたり、保守的メロディーママが一転、二人の男と同居をするフォトアーティストに変身したり、メロディーパパはゲイに目覚めたり、相当に無理がある大転換をなんなくこなす役者たち。

何でもありってくらいなので、ストーリーは在り得ない展開のテンコ盛りだけど、だからこそ楽しい。理屈ばっかりこいているボリスは結局、偶然という名の運命のイタズラのなすがまま、占い師の恋人と出会い、Happy Endで終わる。要するにペシミズムもある一点を超えると超楽天的になるってことね。あの往年のインテリ、コンプレックス男の代表Woody Allenはどこへやら・・・と思いきや、でも超ペシミズムも超アナーキーも超シニシズムもたっぷり残しながらの大団円が今のWoody Allenなのかしら?
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