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七悪魔の旅

タイトルだけでまず驚ける。著者はアルゼンチンのマヌエル・ムヒカ=ライネス。全く名前さえ知らなかった。恐い話しなのか、哲学的な話しなのか、ラテンらしい魔術系なのか、悪魔絡みの宗教関連なのか、Amazonではアルゼンチン発の傑作エンターテイメントと書かれているし。。。 いやはや、どれでもない。この本、まずは可笑しな大バカ話し。
七悪魔の旅七悪魔の旅
(2005/07/26)
ムヒカ・ライネス

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地獄の大魔王が職務をさぼって議論やら趣味やらにうつつを抜かしている七人の悪魔たちを呼びつけ (ちなみに悪魔たちは貴族だそう)、地球の人間界(地獄は地球の外にあったのか!)に行き、それぞれの罪を果たしてこい、と命令を下す。そんな悪魔たちのまさしく時空を超えた諸国漫遊の旅のお話し。大魔王様の命令が下ると、旅の一行様が持たされた日本の悪魔が作った時計が鳴る。地図で現在地確認。そして朱塗りの赤い箱から札をひくと、その地での任務と担当悪魔が決まる、という段取り。大魔王様の暮らす地獄は、「神曲」のダンテや「失楽園」のミルトンが語られたり(それって人間が書いたものじゃあ??)、「ファウスト」を書いたゲーテの肖像画が飾られていたり、参考図書は人間の悪魔学者の本だったり、馬鹿馬鹿しいったりゃありゃしない。が、時空を超えて各地を巡るその先々では、虚構入り混じり、世界の歴史が語られ、有名無名の登場人物が現れ、芸術も文化も政治も織り交ぜ、いちいち妙に細かい描写があったり、エンターテイメント色も満載、人間の奥に潜む本質が暴かれる面白さも満載。各悪魔のターゲットになったのはこんな時代と人々。

倨傲の悪魔ルシフェルは、中世フランス、青髭のモデルになった男爵ジル・ド・レイの未亡人
貪欲の悪魔マンモンは、紀元前一世紀の古代ポンペイの市民
嫉妬の悪魔レヴィヤタンは、清王朝末期の西大后
暴食の悪魔ベルゼブルは、19世紀ボリビアのポトシの聖人
憤怒の悪魔サタンは、18世紀のヴェネツィア共和国の有力一族の執事
淫乱の悪魔アスモデウスは、17世紀、カリブの島のマルタ騎士団の総督
怠惰の悪魔ベルフェゴールは、23世紀、シベリア未来都市ベトベトの住民

悪魔たちの人間臭い(笑)言動がこれまた可笑しくて、悪魔には悪魔の規律と厳粛な規範があり、それを忘れた不届き悪魔たちが、時に文句も言い、お互いを詰りながら、でも大体においては妙な一致団結力の元、悪魔の青春行進曲(?!)を歌いながら、大魔王さまからの命令を遂行してみせる。任務完了の暁には、思わず拍手してやりたい気分になるんだなァ・・・ 暴言吐きつつ、啖呵切りつつ、でも意外にも悪魔たちは根は優しいのかも知れない (大きな勘違いか?)
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