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ダヤン・ゆりの花蔭に

昨晩は毎週金曜夜のルーティン、古本カフェに篭る。「エバ・ルーナのお話」から目醒め現実に戻り、さてもう少し粘ろうと思ったが本がない。店内を行ったり来たりでこんなものを発見。どこかで聞いたことがあるような ”エリアーデ” と言う名前。灯台下暗しとはこのことか・・・ さっきまで読んでいた「エバ・ルーナのお話」のあとがきで参照されていた人だった。でもそれ以外にも聞いたことだけはあるような気がするエリアーデ。作家だとばかり思っていたら、本業は宗教学者・宗教史家。ルーマニア出身でアメリカへ亡命。宗教学の中では大家と呼んでもいいほどの大御所らしい。エリアーデは早熟の天才だったらしく、8つの言語を流暢に操り、22歳の時にインドに渡り東洋思想に触れヨーガに出会う。晩年は幻想小説を書いていたらしく、これもその晩年の作品。

ダヤン・ゆりの花蔭に ミルチャ・エリアーデ
エリアーデ

「ダヤン」と「ゆりの花陰に」の中篇・短篇の2篇が収められている150ページ足らずの薄い本だから選んで、まあ最後まで到達はしたのだけれど、幻想小説?と呼ぶには哲学的過ぎ。

「ダヤン」は、事故で片目を失い、黒い眼帯をつけているためにダヤンというあだ名で呼ばれるようになった天才数学者の青年の夢と現実が入り混じる話し。ダヤンとはイスラエルのモシェ・ダヤン将軍からきているそうで(先程どんな方なのかようやく調査)、謎の老人と出会い、モシェ・ダヤン将軍と同じ方の目を悪い目にされ、つまり悪い方の目を逆にされてしまう。この謎の「さまよえるユダヤ人」と呼ばれる謎の老人は何のメタファーなの?アインシュタインとハイゼンベルクが発見した「最終方程式」の解決をめぐる会話は睡魔を誘うがごとき・・・(私には)

さて「ゆりの花陰に」の舞台はパリ。亡命ルーマニア人たちがある一室で「ゆりの花陰で、天国で」という語句を暗示的なフレーズのように、合言葉のように、延々と語る。その語りは会話というより、舞台の上で登場人物がとっかえひっかえセリフを述べているだけのような構成で、結局その「ゆりの花陰で、天国で」が何なのかは最後までわからん。

申し訳ないが、読み終わってしまったのでそのまま本は棚に戻し、それではちょっと気が引けるので、フランスはマルセル・エーメののユーモア短篇集を代わりに買ってみた(最近ユーモア系ばっかり)。 さっきまでこのエリアーデ氏をググって調べていたら、過去に「マイトレイ/軽蔑」 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3) を読んでいたことに気付いた。アルべルト・モラヴィアの「軽蔑」までは思い出せたが、「マントレイ」・・・ まったく記憶から抜け落ちている。あらら。
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コメント

[C389] その二人の・・・

最終方程式というのには興味があるぞ・・・

[C391] わたしはお手上げだった

どうしてこう物理や化学に弱いんだろう。
  • 2013-02-24 20:13
  • Green
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