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The Three Evangelists

Camilleriの 「The Patience of the Spider」 は、The International Dagger という推理小説に与えられる賞に2008年にノミネートされた。ちなみに同年のノミネートには 「The Girl with the Dragon Tattoo」 もいる。さらにこれから読もうとスタンバイしている 「August Heat」 も2010年に同賞にノミネートされた。ちなみにこれまた 「The Girl Who Kicked the Hornets' Nest」 もノミネートされた。更に更に、2011年には 「The Wings of the Sphinx」もノミネート!あら、2012年に 「The Potter’s Field」 もいた。Camilleriはすっかり常連だったのね。いや、こんな凄いなんて知らなかった。 なんてつらつらと歴代の受賞者を眺めていたら、もっと凄い人がいた。2006年に受賞。2007年に連続受賞。2008年にノミネート。2009年三度受賞。1年飛ばして2011年はノミネート。私にはミステリーとか、推理小説とか、何とか賞とかには疎いので、全然知らなかったけれど、ちゃんと邦訳も出ていて、皆さん、絶賛!一体全体何者なんでしょ?Fredと名乗りながら著者は女性作家にして考古学者。
The Three EvangelistsThe Three Evangelists
(2007/01)
Fred Vargas

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失業中もしくはほとんど失業中の3人の歴史学者がDisgraceと呼ぶ「ボロ館」(と邦訳は訳しているらしい)で共同生活を始める。古代史専門のMathias、 中世史のMarc、そしてThe Great War (第一次大戦)専門のLucien。そしてMarcのGodfartherで伯父さんのヤクザな元警視のVandoosler (first nameは忘れた)も同居人になる。舞台はパリだけれど、ご当地ものにつきものの所謂パリっぽさは全然無かったし、貧乏人ばっかりなのでグルメネタもなし。Three Evangelistsとはこの伯父さんがそれぞれを、聖マルコ、聖マタイ、聖ルカなんて名づけたところから来ているけれど、この3人+ひとりのキャラクターの楽しさがこの本の命。ストーリーは案外素直で、登場人物も混乱しないし、話しの展開も伏線だらけなんてことはなく、複雑でもない。難しいのはどちらかというと会話の妙の方で、これが理解できずに終わる箇所が度々あり、ちょっと悔しい (そこんところが、邦訳だと楽しめるから、絶賛レビューが並ぶんだろうなあ)。この3人(プラス1名)がどことなく超俗的というか、歴史学者らしく、得意分野以外は基本的に興味がなく、相手の分野は言いたい放題貶したりして、現実社会にフィットしそうもない面々。そして彼らの引き締め役がワケあり元警視という構成(だがこの伯父さん、描写からするにかなりカッコイイみたい)

事件はWest Frontと呼んでいる西側のお隣さんで起きる。そこの住人、元オペラ歌手のSophiaがある朝、突然庭にぶなの木が生えているのを発見したことに端を発する。気味悪がるSophiaに対して、一向に無関心の夫。3人の失業者がSophiaに頼まれ、木の下を掘り返すが、何も出てこない。その矢先、Sophiaが失踪し、数日後黒焦げ遺体で発見される。ここから素人探偵たちが犯人追及を始める。失業中の浮世離れした歴史学者とはいえ、そこは青年たちで、途中恋愛ネタも含み、被害者の親族・親戚も登場し、そして最後まで引っ張ってくれたのは、一夜城ならぬ、一夜ぶなの木の謎。

1作読めばキャラクターがだいたいわかるので、3人のうち誰が好き?ってなお気に入りを探して、次もついつい読んじゃうシリーズ。後半1/3からラストスパートはあるけれど、ミステリーにしては軽妙でほんわかしているという不思議な作品で、グルメネタもオシャレなパリもなかったけれど楽しかったなあ。。。

自然体でいるにはどうしたらいいんだ?! パンを食べていればいいんだよ (それって日本に置き換えると、おにぎりを食べていればいいんだよ、という発想なんだろうか)と、ひたすらパンを切るMathias。パンを黙々とスライスする彼が私は好きだ (と、こうなるともう、読んだ人しかわかんないネタバレ)
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コメント

[C416] おー、これはまた!

おもしろそうな本を見つけてくれた!

いまはPhilip Kerr ばかり読んでるけど、次はこの人かな。
ありがとう。
  • 2013-05-07 20:56
  • さかい@多言語多読
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[C417] ところが・・・・

この3聖人シリーズは3巻まであるみたいですが、2巻目、3巻目は英語翻訳版がないんです、邦訳はあるのに、ですよ。ちょっとびっくり、かなりショック。英語で始めてしまったら、邦訳はちょっと読みたくないので、英語版が出ることを祈りつつ、しばしストップ。

ということで、別のCommissaire Adamsbergシリーズに行くことになってしまいました。こちら8巻まであり、全部英語版があるようです(途中からkindle版もあったような)
  • 2013-05-08 00:51
  • Green
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[C420] 考古学は好きなんだけど・・・

でもぼくはもうkindleじゃないと買う気がしない。

kindle版が出るまで待つのか?
  • 2013-05-09 23:31
  • さかい@多言語多読
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[C421] おいてきぼり

Kindle化比率が低い作家のようなので (やっぱり翻訳ものはどこでも後回しなんじゃないだろうか?)、期待にそえるかどうか・・・
私は気にせず先を行く。
  • 2013-05-10 13:14
  • Green
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