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ジェイン・オースティン料理読本

恥ずかしながら、Jane Austenの本は一冊も読んだことがない。デビューがこんな料理本になるとは思ってもみなかった。古本カフェにて衝動買い。これはれっきとした料理本で、つまりレシピ本。本のサイズだって、大型で所謂料理本サイズ。Austen研究家のディアドレ ル・フェイと、料理史家のマギー ブラックの共著。約200年前のイングランドの中流家庭の食事事情を垣間見ながら、なんなら現代風にアレンジされたレシピを参照しながら、料理を再現も出来る。
ジェイン・オースティン料理読本ジェイン・オースティン料理読本
(1998/03/01)
マギー ブラック、ディアドレ ル・フェイ 他

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これはAustenの作品を読んだ人の方が数倍楽しめそう。200年前のイングランド中流階級の食事事情は、現代のちょっと誉めずらいイギリス料理からは想像も出来ないものだった。料理本だけれど、当時のレシピはAustenの友人で、共に暮らしたこともある、マーサ・ロイドのレシピ・ノートからとられたもので、おばあちゃんの料理本もそうだけれど、写真もなく手書きのメモ書きのレシピ集を紹介しながら、同時に材料と分量を現代風に編集してくれたレシピも併記してくれている。美味しそうかどうかは、なんとも想像し難いのだけれど、安い・早い・美味いの料理ではなく、おもてなし料理ばかりで、当時の”おもてなし” がどれだけ一大イベントだったかは容易に想像できる。

料理は田舎のジェントリーのお屋敷のパーティー用なので、都会に暮らす金持ちが高級食材を駆使した料理というより、敷地内で飼育されている家禽類の料理が多いし(卵や七面鳥、ガチョウや家鴨、鶏、雉、ほろほろ鳥・・・)、これまた敷地内で栽培されているベリー類や果物を使ったデザートも多し。当然冷凍庫どころか冷蔵庫もなく、電気もない時代、薪のオーブンか暖炉で調理し、鳥類だって羽根をむしるところから始まるんだろうし、今は当たり前のジャガイモもトマトもその頃は珍しい食材。一方、バターや牛乳はふんだんに使われているから、乳製品は敷地内の牛たちから供給されていたんだろう。で、魚料理は当たり前のことだが少ない。デザートは粉モノの焼き菓子か砂糖漬けの果物だが、驚くことにアイスクリームのレシピがある。冷蔵庫の無い時代、氷で冷やして作っているけれど、そもそも冷凍庫のない時代、どうやって氷を作ったんだろう?

材料が案外たいしたことがないのが可笑しいけれど、田舎の地産地消のお手本みたいな料理ばかりで、手間隙かけた料理が多いのは驚き。贅沢ではないけれど豊かな料理で、いつどこで現代の悪名高きイギリス料理に大転換しちゃったんだ?(この後の産業革命の弊害なのか?)

結構作れそうなものが多いんだけれど、写真が一切ないものだから、ぼおっと読んでいるとどうも出来上がりが想像できないのが難点。本棚には置かず、キッチンの料理本とともに並べて、再び見返してみよう (いや、その前にJane Austenを1冊くらい読んでみよう・・・)
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コメント

[C432] ははは、そうだった!

ジェーン・オースティンの話だったんだった!
  • 2013-06-04 11:21
  • さかい@多言語多読
  • URL
  • 編集

[C433] そろそろ

思い腰をあげて、古典ソープドラマを読んでみるか・・と思わせてくれた立派な「本」でした。

  • 2013-06-04 23:01
  • Green
  • URL
  • 編集

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Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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