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黄金の壺・砂男・ドン・ジュアン

遅まきながら初ホフマン。実は私が今回読んだ旺文社文庫の「黄金の壺・砂男・ドン・ジュアン」はネットでどこをどう探してもヒットしない(昭和51年の初版)。なので、これから読もうというのなら、岩波文庫あたりでどうでしょう?

ホフマン短篇集 (岩波文庫)ホフマン短篇集 (岩波文庫)
(1984/09/17)
ホフマン

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黄金の壺 (岩波文庫)黄金の壺 (岩波文庫)
(1974/05/16)
ホフマン

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ホフマンが生まれたのは1700年代後半、活躍時期は19世紀前半だから私が普段ちょっと古めだと思っている本より更に100年古い。つまりかれこれ200年前に書かれているわけで、この先200年後を想像できないように、200年前に現代は想像できなかったわけで・・・

3篇の中では名高い「砂男」がやはり絶品。眠らない子供の目玉を奪っていくという砂男。父の元を訪ねてくる無気味は老人が砂男だと信じた少年。ある日老人と父が篭っている部屋で爆発が起き、父は死に、老人は姿を消す。大人になって現れた晴雨計売りがあの砂男だと確信するあたりから、主人公の狂気が始まる。その男から買った望遠鏡で向かいの部屋の美しい娘を眺め、激しい恋心を抱くようになり、ついには娘に求婚することを決意し、屋敷に向かう。とそこにいたのは、娘の父親と砂男と彼が信じる晴雨計売り。二人が娘を引っ張り合って言い争いをしているが、娘の目は欠けている。彼女は自動人形だった。娘の目を投げつけられた主人公は正気を失い、「まわれ、まわれ、火の環」と言いながら失神してしまう。その後介抱をうけて正気に戻ったかに思えた主人公は、あの望遠鏡を再び手にしまたもや正気を失う。

言葉を発しない娘が実は自動人形だった、というのは恐くはなく、二人が人形を引っ張り合い、目玉がもがれて落ちたり、その目玉を投げつけられ狂気に陥る主人公が「まわれ、まわれ、火の環」と叫ぶところが恐い。しかも最後に再び発狂した主人公を、砂男=晴雨計売りがひんやり眺めていたりする。私の説明じゃ全く恐くないだろうけれど、本を読めば恐くなれる。「書物の王国」シリーズ に「目玉」という巻を作ってくれたら、絶対にこれを入れるべきだと思うくらい、悪夢にでてきそうな目玉。つまり、このホフマンの狂人の言葉や行動を選ぶセンスが並大抵のもんじゃないってことか・・・

200年生き永らえる小説は伊達じゃない。古典ってやっぱり面白い(でも気軽には読めない)。
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