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The Songlines

「どうして僕はこんなところに」 を読んだ後、これは英語と誓ったので、素直にトライはしてみたものの、どうしてこんなに好きなのに、どうしてこんなに難しいんだろう(笑) 「パタゴニア」 を読んでおいてよかった。そして彼の人生の総括とも云える、「どうして僕はこんなところに」 を読んでおいてよかった。そもそも彼の紀行文(と呼んでいいのなら)はこんな風。フィクションではないけれど、ノンフィクションと言い切るにはあまりに彼の思考が彷徨い過ぎる。時間も場所も彷徨うように飛ぶ。
The SonglinesThe Songlines
(1988/06/01)
Bruce Chatwin

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アボリジニの人々は、ひとりひとりがそれぞれのtotem(動物だったり爬虫類だったり・・)を持ち、先祖代々繋がれていく旅の物語を持っているのだという。その物語こそが一連の歌として記憶され、オーストラリア全土を隈なく巡る地図になる。テリトリー=私有地の概念もない彼らには家はあっても、オーストラリア全土とそこに生きる動植物も人々はすべて共有すべきもの。Songlineは結局彼らのspiritual以外の何ものでもない。・・・ってことでいいんだろうか?たぶん当たらずとも遠からずくらいには、理解していると思う。というか、邦訳を読んだところで、このSonglineという語り継がれる歌の地図が何であるのかは明確には理解できなかっただろうし、いやそもそも、Songlineが何であるのかは対して重要ではないのかも知れない(理解できなかった負け惜しみか?)。

ある場所へ行き、そこである人に出会い、話を訊く。そしてその人が別の名前を出し、その人に会いに行けという。そして、そこに辿り着き、話しを聞き、また別に誰かに会いに行けという。そうやって人と場所が繋がり、物語が繋がる。Chatwinは世界各地を放浪したけれど、結局パタゴニアにせよ、アボリジニのSonglineにせよ、それは究極の目的ではなく、彼は自らをノマドと呼び、人は本質的に移動を必要としていると云い、生涯ノマドであり続けた。つまりはそれらは手段だったのだろうと思う。
Life is a bridge. Cross over it, but build no house on it (Indian Proverb)
ノマドは旅行というのではない。目的地に辿り着くための移動ではなくて、移動することそれ自体が目的。Chatwin自身は物理的に世界を放浪したけれど、移動は歩くという行為よりも、留まらない、という方が近いと思う。自然は常に動いている、水も空気も植物も動物も、だから人間も留まらずに常に自然と同様に動くこと・・・

アボリジニのSonglinesを巡り、Chatwinの相棒となる男との旅物語が半分、後半はChatwinがこよなく愛用した皮表紙の方眼紙タイプのモレスキンのノートからの抜粋が続く。どの本でもそうだけれど、彼はSonglineが何かとか、ノマドが何を意味するとか、そんなことを断定もしないし、熱っぽく語ったりしない。一時期考古学を学んだ彼らしく、人類の祖先の話やら、彼らの狩猟生活と動物との関係や、無益に争いを繰り返した近代の歴史を持ち出し、言葉というものを語り、博識ぶりはさすがだけれど、先史時代から現代まで、生きとし生けるもの、大地と風と水、動物と植物と人間、これらに境界線を引かないかのような彼の視点は、アカデミックな文化人類学でもなければ、少数民族擁護論でもなく、静かで心地よくて押し付けがましさの欠片もない。でも、この本を読んでいる人はみな、自ら考えてしまう。我々は誰なのか?どこから来て、どこに行くのか?

と、偉そうに書いてみたが、この本、半分もわからないし、半分は読み飛ばした。それでもこの本は面白いと云える自信はある。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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