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わが友ピエロ

レーモンクノーコレクションも残すところこれを入れて残り2冊。さてぼおっとしていたけれど、この「わが友ピエロ」がブログ記事の栄光の第400本目
わが友ピエロ (レーモン・クノー・コレクション)わが友ピエロ (レーモン・クノー・コレクション)
(2012/08/27)
レーモン クノー

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「ルイユから遠くはなれて」  「人生の日曜日」 とともに、「知恵の三部作」と呼ばれる作品だそうで、その「知恵」とは何ぞや?というのがあとがきを読んでも私にはよくわからない。クノーをググると、素人レビューが結構少なく、それなりの(笑)プロ?専門家?の方の評論・解説の類がやたら多い。そう云えば、ウンベルト・エーコが ”難解なものほど解釈を生むから、歴史に残り長持ちするするためにには難解でなければいけない” なんてどこかで書いていたけれど、クノーってきっとプロ?専門家?が題材にしやすい作家なのだろうと思う。軽くてどこかホワホワしていて、平易な文章で荒唐無稽な設定(時にシュールで幻想的)、でも彼のバックグラウンドはそんなホワホワとは全く違い、哲学を修めシュールレアリズムに一時足を突っ込み、その後ヘーゲル哲学に傾倒し・・・とオイシイそうなネタが多い。因みにヘーゲルは何が有名かというとその哲学理論の難解さだそうで、これまた ”難解なものほど長持ち” の部類に入る。Wikiでちょいと齧ってみようと思うことさえ、凡人の私には歯が立たない。確かにその「知恵の三部作」には共通点もあり、荒唐無稽なユーモアを散りばめ、でもどこかもの悲しく、登場する人たちはこすっからい奴もいるし、欲得な奴もいるし、ちゃっかりものもいるし、でもどこかお人よしで憎めない庶民たち。私はそんな庶民の荒唐無稽な可笑しな話しを読めるだけで、クノーが好きなんだけどね。。

パリ近郊の遊園地ユニ・パークで働くことになったピエロは、不器用で野心も向上心もなく、失敗ばかりで二日と同じ仕事に就くことができないし、ユニ・パークのボスの娘イヴォンヌに恋をしても全然低相手にしてもらえない。でも悪意の欠片もなく、尊敬されることはないけれど、憎まれたり疎まれたりもしない、どこか浮世離れした存在感の薄い男。そのユニ・パークに隣接する土地で、ポルデーヴ(架空の王国)の王子を祭る礼拝堂を管理している老人に気に入られたり、サーカスに動物を貸与する仕事に誘われたりしながら、中心でなく常にその外側で流れのままに何となく生きているピエロの周りでは、なにやら奇妙な事件が起きる。がピエロは一向にその事件には感知せず、それはまるで聖人のよう。それは俗の権化のようなユニ・パークの対極にある「聖」であり、礼拝堂を頑なに守り続ける老人とピエロは美しくもあり、悲しくもある。

クノーは私にとって、タブッキと双璧を成すほどの、後から思い出そうとしても本の粗筋は全く思い出せず、そのくせ面白かったことだけがしっかり記憶に残る作家。不思議なものでそんな作品ほど好きになるんだなァ・・・
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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