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海底バール

いつもは古本ばかりを漁っているが、我慢できずに新刊だけど買ってしまう・・・という自虐的誘惑を味わいたくなると、お散歩エリアの谷中・千駄木界隈にある小さいながらも味のある独立系本屋さんに行ってみる。十中八九、アドルフォ・ビオイ=カサーレスの「パウリーナの思い出に」 (短篇小説の快楽)を買ってやる!と決めかかったその時、えぇ~~という帯びを目にする。
”U・エーコ、A・タブッキと並び、現代イタリア最高の人気作家の代表作”
ちょっと待て。U・エーコ、A・タブッキと並ぶような作家をどうして私は知らないんだ?しかもAmazonのお客様へのおすすめにも登場しなかったはず。悔しいのでアドルフォ・ビオイ=カサーレスは棚に戻し、こっちを買ってしまった。2013年7月20日発売。発売したてのホヤホヤの新刊。
海底バール海底バール
(2013/07/12)
ステファノ・ベンニ

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このStefano Benniって誰なのかと思いWikiに飛んでみるも、ない。それでU・エーコ、A・タブッキと並ぶと云っちゃうのは、河出書房さんも法螺が過ぎる。しかも ”笑いと奇想と仕掛けに満ちたやや脱力系短篇集” というから、期待していいのかいけないのか?
あやしく光るネオンめがけてぼくは泳いでいった—— 海の底にある不思議なバールで怪しい面々が語り聞かせる、世にも奇妙な物語の数々。
何だかゾクゾクさせてくれる。その怪しい面々というのが、この方たち。
bar表紙をめくるとまず登場するのがこの絵。ショートショートも含む短篇22篇は、笑いも奇想も満載だけれど、脱力系というほど穏やかではなくて、ブラックという程どぎつくないけれど、現代版グリム童話くらいのグロテスクさと法螺さ加減がいい。実は3回読んだけれどオチが分からない捻りもあるし、必ず冒頭に引用される古今東西の作家たちの作品の一節と本文との関連も、3回読んだけど分からなかったり、でもこれはかえってクセになりそう、しかも結構手強いじゃん・・・ 掘り出した感もあってかなり満足。

帯に更に書かれているいくつかの短篇の紹介は、読み終えてから再び眺めると、あ~~そうそうと思い出しながら笑い直せる。
至高の料理で悪魔に対峙する 「フランス一偉大なシェフ」
優雅なイギリス紳士の船長が<海の魂>に恋い慕われる 「マチュ=マロワ」
闇の世界に足を踏み入れようとしていた若き日の親友との再会譚 「オレロン」
天性のバイク乗りと絶世の美女の青春グラフィティ 「プロント・ソッコルソとビューティー・ケースのラブストーリー」
クラス一のミステリマニアの女の子が披露する見事な推理劇 「プリシラ・マップルと二年C組殺人事件」

ってなことで、その後あちこちググってみると、このStefano Benni氏、なかなかの人気作家らしい(エーコとタブッキと並べるとちょっと毛色は違うが、人気度は肩を並べてよさそう)。この本以前に邦訳されている 「聖女チェレステ団の悪童」 という本をポチってみた。これもまたタイトルからしてゾクゾクしながら、クスッと笑える。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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