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ミノタウロスの誘惑

レーモン・クノーコレクションを出した水声社。装丁が似ている。結構好きだ。古本カフェにあったので買ってみたが、初アナイス・ニン。”女性に人気らしいですよ”とはカフェのお兄さんのコメント。「二つの女性誌に好意的な書評が本の写真つきで掲載されました」と水声社のHPにも書かれている。ちょっと厭な予感もするが・・・ 
ミノタウロスの誘惑ミノタウロスの誘惑
(2010/08)
アナイス ニン

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初アナイス・ニンなので、ウィキから少々。
11歳の時から死ぬ直前まで60年間以上にわたって書き継がれた日記を出版したことで著名である。また性愛小説家としても名高く、肉体的なことだけでなく、性の完全性と欠陥についても追求している。アメリカの著名な作家ヘンリー・ミラーの愛人であったことがその日記で明らかにされた。

太陽と月に導かれて。陽光きらめくメキシコの華やかなリゾート地。米国人ジャズ・ピアニストのリリアンは現地のさまざまな人物たちとの出会いを通して自分の本当の姿と向き合うようになる...旅と音楽をモチーフに色鮮やかに描く珠玉の小説。

これが帯の言葉。太陽?月?そういえば太陽がどうの、月がどうのとあった。ジャズピアニストの主人公リリアン。でも全然ピアノを演奏する場面はなかったが・・・ 珠玉ってどんな意味だっけとしばし考えてしまう。つまりは、残念ながら予感的中。あ”~~と声が出そうなくらい、女性っぽい。と嫌がったところで私も女性だった。

1903年生まれということを考えると、50年は早く生まれすぎたのかも知れないと思うほど、あまりにも現代風。舞台であるメキシコに来たリリアンは現地で様々な人物に会うが、これといった大きな事件があるわけでなく、むしろ彼女の心のモノローグばかりだが、これは5作の連作の最終楽章だったこともあり(あとがきで知った)、彼女の回想シーンに登場する夫や子供との関係の説明がここにはないので、なにを悩んでいるのかわからぬまま読了してしまった。見知らぬ南国の楽園にやってきて、自分自身と自分の過去を見つめ、新たな気持ちでアメリカに帰る。登場する現地で暮らす人たちは、心に何かを抱えたまま殻を破れないでいる。つまりはリリアンだけでなく、皆が自分と葛藤している。過去を決着させないことには、自分が変わることは出来ない。それは分かったのだけれど、その過去の問題って何よ?といつかその”問題”が登場すると思いながら、悶々とした私の気持ちも知らぬまま、彼女は何かを見つけ、気付き、再びアメリカの地へ。おいてきぼりの私。

女性の視点、その生き方を描くということでは先駆者だったのだろう。代表作の「日記」を読み、アナイス・ニンそのものを知った上でここに辿り着いたら、う~~ん、と思えたろうなあ。アナイス・ニン、写真を見る限り、カッコイイ。彼女の人生の方が小説より面白そうだ。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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