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眠くて死にそうな勇敢な消防士

「モラヴィア動物寓話集」とある。大御所のイメージのあるモラヴィアと動物寓話集と、そしてなんとも間抜けな面をしたマナケモノ?がで~~んと描かれた表紙、どうにも不思議な取り合わせのこの本は一体なんだ?
眠くて死にそうな勇敢な消防士―モラヴィア動物寓話集眠くて死にそうな勇敢な消防士―モラヴィア動物寓話集
(1984/09)
アルベルト・モラヴィア

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あとがきによると、元は豪華絵本として出版されたそうだが、これが子供向けなんて勿体無い。24の短篇に登場する動物は、ワニ、ソリハシセイタカシギ、チョウザメ、クジラ、コウノトリ、ウナギ、イセエビ、アブラザメ、ウミガメ、アリクイ、アリ、アリジゴク、セイウチ、ダイペンギン、キリン、ライオン、イボイノシシ、フクロウ、コウモリ、ハゲコウ、ジャッカル、ブロントザウルス、カンガルー、オーム、オナガザル、カメ、ブタ、イノシシ、ナマケモノ、ヤマネ、モルモット、モグラ、ハムスター、アルマジロ、ナメクジ、ゴリラ、カバ、ヘビ、ハタ、カメレオン、ヤマアラシ、コザル、サイ、キョウリュウ、ノミ、シカ、ラクダ、バク、ビーバー ・・・ と一応動物から、果ては、アフリカ人、カミサマ、ニンゲン、オンナ、母なるシゼン(自然)、エホバ、アダム、イヴ、シンカ(進化)とまあ、何でも動物に仕立てて文豪モラヴィアがお伽噺を作ってしまったという次第。

時代は先史時代。数百億年前のお話しで、「暫くすると・・・」が数百万年先だったり、でも背景は現代だったりと、時代考証というものはまるでなく、その辺りの辻褄の合わなささが可笑しくもあり、同時にだからこそ、寓話足りえたりもする。

そう、まさしく寓話。明らかに動物という体裁を借りて、人間の浅はかさや怠惰さや虚栄心や自分勝手さを目一杯扱き下ろし、神様でさえ、総じて無精者でいい加減で、くたびれると仕事をほっぽりだし、居眠りしてしまったりする。さらには、アダムとイブはどうにもならないぐうたらでマリファナをふかしては、享楽に溺れている。仮にもカトリック総本山バチカンのお膝元、イタリア人がこんなにも神さまをコケにしていいのか・・・と私が心配になる。

表紙を飾ったナマケモノ風の怪獣はやはりナマケモノだった。タイトルになった「眠くて死にそうな勇敢な消防士」のしかも団長だった。ナマケモノなりに頑張ってはいたが、やはり消防団長には向かなかったと見える。
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