Entries

アントニオ・タブッキシンポジウム

書店が開催するイベントや朗読会を訪れたこともないくせに、たまたま発見してしまったアントニオ・タブッキシンポジウムというものに行ってしまった。 場所は「イタリア文化会館」 九段にある立派なビル。土砂降りの雨と寒さの中、朝10:30~16:30という長丁場。でも参加は無料。ゲストは豪華。タブッキが亡くなってから約1年半。タブッキが好きだからと、ただの本好きな行っていいようなシンポジウムなのかどうか分からぬまま行ってみた。
・ Maria José de Lancastre (タブッキ夫人)
・ Andrea Bajani (イタリアの作家 私は知らなかった)
・ 和田忠彦 (イタリア文学翻訳物では、私にとっては一番登場回数が多いかも)
・ 堀江敏幸(紹介は不要か・・)
・ いとうせいこう (こちらも紹介は不要か・・)
・ 澤田 直 (ペソアの翻訳者)
・ 小池昌代 (作家?詩人?)
・ 村松真理子 (処女作「イタリア広場」の翻訳者)
・ 花本知子 (こちらの著者

正直大満足とは言えなかったので、ブログを書こうかどうか悩みながら、1日寝かしてしまった。

午前の部、Maria José de Lancastreタブッキ夫人、初耳のAndrea Bajani氏、いつも翻訳を読んでいる和田忠彦氏、とここまでは、楽しんだ。イタリア文化会館館長のGiorgio Amitrano氏の挨拶も含め、同時通訳用のイヤホンを頼りに、イタリア語のスピーチを聴く。まあ、同時通訳がちょっと頼りなげで、一部の人は笑っているのに、聞こえてくる通訳版日本語では全然笑えない、という苦い思いはさておき、元気で、話しがあっちゃこっちゃに飛びまくるBajani氏に笑い、本人自身も研究者のタブッキ夫人のちょっと低めの声のスピーチも楽しみ、和田忠彦氏は、イタリア語・日本語両方でスピーチ、最後タブッキの悲報を聞いた瞬間の話しは涙ぐみながら締めくくる (私だって悲しかったよ・・・)。と、午前はまあ、こんなもんかな、で終了

午後の部、最初は澤田直氏。翻訳本では時々お目にかかっていたが、そもそもフランス文学者なのに、ペソアの翻訳をしてしまった方。今回登場した方たちの中では、実は一番面白かったはずなのに、ランチの食べ過ぎと、なんだかあまりにも心地よい声に負け、不覚にも途中で睡魔に襲われる (あ~なんてことだ!)小池昌代さんは全く存じ上げなかったが、本も書き、詩も書き、翻訳もする、でも話しを聞いているとこの人は根っこは詩人なんだと納得する。

さて、問題はここから。不満の類は書きたくないんだけど、残りの2名は ”何故ここに登場しなくちゃいけないんだ?” というのが正直な感想。私は研究者でも文学者でも出版関係者でもないから、文句を云うのは筋違いだと重々承知の上で、おこがましくも感想を言えば、、、つまんない。下を向いたまま原稿を読み上げる、内容はと云えば、自分の修士?博士論文か大学の研究論文。パワーポイントの資料は意味なし。研究者としてどうかは分からないけれど、タブッキシンポジウムは彼へのオマージュであって欲しかった私としては、”で、あなたはタブッキが好きなんですよね?” と聞きたくなってしまった(素人がほざいてすいません)。

最後は登場した面々がそれぞれの言葉で、彼の作品の一部を朗読。ここで同時通訳が入るなら、それは絶対聞かないよ!と決めてかかっていたところ、館長のAmitrano氏曰く、”同時通訳はしません。声を聞いてください” ってなコメントを入れてくれたので、心の中で拍手。そういえば今日初めて、しっかりとイタリア語を聞いた。そして短いセンテンスだけれど、心地よい日本語も聴いた。この朗読が一番の収穫だった。実はタブッキの娘さんとお孫さんまで来日していて、二人も朗読に参加。そしてトリを飾ったお孫さんが一番の拍手を浴びる。それは子供だからという気遣いじゃなくて、ホントに一番素敵だった。シーンとした会場に透き通った声が響く。ベタな誉め言葉でよければ、それは「天使の声」だった。

総論。折角イタリア文化会館でイタリアからゲストも呼んで行うのに、結局イタリアグループはイタリアグループ、日本グループは日本グループ。登場した方々はみんなイタリア語喋れるんだよね?だったらいっそ皆でイタリア語で好き勝手に討論してくれたら面白かったのに(それなら私は同時通訳イヤホンで耐え忍ぶ)。堀江敏幸といとうせいこうの対談は確かに面白い。でもそこにBajani 氏が加わったらもっと面白かったろうに。。。 澤田直氏とタブッキ夫人が対談したらどんなものがでてきたんだろう?そしてやっぱり、もしタブッキがまだ存命で、ここに彼がいて語ってくれたらと想うと、またしても悲しい気持ちになった。

イタリア文化会館1階では、タブッキの肖像画や写真の展示もやっていた。Tullio Pericoliという画家(?)の描くTabucchi と Pesoaの絵がいい (Google画像検索で頂戴しました)
Tabucchi Pesoa
ちなみに左がTabucchi、右がPesoa。どっちがどっちでもよいが・・・
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/454-1df132bd

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - - - 12
3 4 5 6 7 89
10 11 12 13 14 1516
17 18 19 20 21 2223
24 25 26 27 28 2930
31 - - - - - -

全記事

フリーエリア

フリーエリア