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植物学とオランダ

なんでこんな本を突然買ったのか自分でもわからない。古本カフェで手にとって何となく・・・としかいいようがない。理屈を無理にでもつけるなら、植物好き♪ オランダにはちょっと行ってみたい♪ それだけ。
植物学とオランダ植物学とオランダ
(2007/07)
大場 秀章

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こんな本。。。
生誕300年を迎えたリンネのオランダ留学事情、その支援者たちとの交流、庇護者クリフォートとその豪邸の今、ヨーロッパの庭園改革を夢みたシーボルトの足跡、幕末の日本人留学生たちをしのぶ風物、アジサイをはじめオランダの風景となった日本の植物の数々などなど、植物学者の目がとらえたオランダの歴史と現在、その魅力を語り尽くす。

これが案外面白かった。植物学者がお堅い理論をこねくり回しているわけではなく、もちろんオランダの植物も学問としての植物学も語ってはいるけれど、著者のオランダ訪問記として、街々やそこに住む人たちの描写もあるし、専門外なのにやたら詳しくオランダの歴史も教えてくれ、シーボルトやリンネ(「植物学の父」)と日本の繋がりを紐解いたりと、”その魅力を語り尽くす” は言い過ぎにしても(もっと言いたいことはあったろうに)、コンパクトにぎゅっとまとめて語ってくれている。日本からオランダに渡った植物や、日本にもあるけれど、オランダでは違う姿に育った植物や、植物園の話し、植物標本の話し・・ まあ、私のような門外の素人はヘエ~~~というしかないのだけど、これからは色とりどりのお花だけじゃなく、街路樹や公園の樹木を見ながら、この本を思い出すことができるかもしれない。

門外の素人が、植物と言われて想像できるのは、昨今のガーデニングと呼ばれる園芸レベルだが、ヨーロッパの広大なお屋敷において園芸が意味するものは、森を作るくらい話しで、それは「林地園芸」と呼ばれている。広大は敷地を持つ富裕層の「林地園芸」の興隆とともに、樹木の研究が盛んになり、「樹木学」が発展した。これがヨーロッパ。石と苔の庭園と盆栽と軒下の朝顔の世界の植物学とはチョイと違う。

植物とは全く関係ないのだけれど、こんな話し(説?)まで展開している。
人間は音のない世界に恐怖を感じる、だから音楽が生まれた。
日本の植物体系はおそらくとても豊かなんだろう (豊かだった・・・と言いたくはない)。夜でも虫の声が聞こえる場所には恐怖はないけれど、闇の中で全く音がしない世界では、人は恐怖を感じる。だから何かを叩くだけでもいいから音を発する。それが発達したものが音楽。日本で近代以前に音楽があまり庶民に間に浸透しなかったのは、海だの山だのから自然が何がしかの音を奏でてくれているから。音も光のない完全な闇の中で夜を過ごす砂漠の遊牧民には、何かを叩き声を発して、恐怖と戦うための音楽が必要だった。

そうそう、この話しも面白かった。
数年前に猛威を振るったBSE(牛海綿状脳症)。これはオランダではみられなかった。何故か?BSEは、本来牛が食べない飼料を人工的に与えて飼育した牛に発生する。自然に飼育している牛は本能として食べられる草と食べられない草を分けることが出来、毒草や匂いのきついキンポウゲ科やサクラソウ科、シソ科、キク科などは本来牛は食さない。この食べ分けが出来る ”普通の牛” は人口飼育が出来ない、つまり人口飼育できる牛は、こういった選択能力を失った牛か、持たない牛だけであって、人工飼育牛は野外に放たれると、どんな草でも食べてしまい、中毒を起こしたり、場合によっては死んでしまうこともあるらしい。オランダでは牧畜において昔ながらの自然な方法がかなり残っていて、健全に育った牛はよく運動もするので、オランダの牛肉は固めで、ステーキになってもあまり美味くはなく、煮込み料理向き。美味くて柔らかい人間様のお好みのステーキのため牛は狂わされ、揚句にBSEなんかが発生するのか・・・

オランダに行きたかった理由は、実はここに行きたいからなんだけれど、このPanorama Mesdagは、パノラマ状の一枚(?)の絵画だけを展示するために創られたデン・ハーグにある美術館。ハーグの町の郊外の行楽地、北海に面したスヘフェニンゲンの海岸を描いた作品。サイトだけでもかなり楽しめるが、楽しんだ果てにホンモノが見たくなる。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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