Entries

追悼:Doris Lessing

追悼を書ける程、Doris Lessingの作品は読んでいない。この3冊だけなんだが・・・
草は歌っている草は歌っている
(2007/12/01)
ドリス レッシング

商品詳細を見る

なんといったって猫 新装版なんといったって猫 新装版
(1987/06/01)
ドリス・レッシング

商品詳細を見る

破壊者ベンの誕生 (新潮文庫)破壊者ベンの誕生 (新潮文庫)
(1994/08)
ドリス レッシング

商品詳細を見る

それでも何故か書いておきたい。ノーベル文学賞を受賞したのは、2007年、その時すでに齢88歳になっていた彼女は、史上最高年齢での受賞となった。彼女は作品中でしばしば、その半生をなぞっているが、生まれはペルシャ(今のイラン)、子供の頃ローデシア(今のジンバブエ)に両親とともに移住し、13歳で学校を辞め、15歳で家を出て、働き始める。2度目の夫と離婚後イギリスに戻り、処女作『草は歌っている』(The Grass is Singing)を出版。自ら選んだのか、運命だったのか、今の平和で豊かな世界の中ではこんな人生は珍しくなっているだろう。子供の頃から、大変な読書家だったらしい。自分を表現するにはペンを持つ以外に選択肢はなかった、ということか?

『なんといったって猫』(原題:Particularly Cats)は、昨今の面白おかしいエッセイとはちょっと違う。もちろん猫たちとの暮らしを描いた軽めのエッセイではあるが、愉快な猫との暮らしを描いた作品ではなかった(記憶がある)。処女作『草は歌っている』はアフリカの農園を舞台に、そこで生きる白人女性の物語だが、明らかに人種問題、アパルトヘイトが扱われている。『破壊者ベンの誕生』はこちらの記事で。

確かに硬派な作品を書くことに間違いはないし、(彼女は距離をおいていたそうだが)フェミニズムグループに入れられるのもわかる。だから片っ端から読んでみよう・・・というカテゴリーの中には私も入れられず、読むにはある種の覚悟がいる。邦訳された作品を見るにつけ、やっぱり商業的に当たる作品ではないんだろうと、申し訳ないが納得もする。しかもノーベル文学賞を受賞していながら、近年の作品は見事に残されたままじゃないか。でも、と言いたくなるのが私にとってのDoris Lessing。この硬派さを疎んじてはいけない。それは例えば、平和な世になったからこそ、悲惨な戦争を忘れずに語り継ごうということに似ている気がする。

海外メディアがどう取り上げたかは、本家BBCの記事で・・・BBC NEWS
"She was just the most remarkable writer and we won't see her like again,"
Great Writerという賛辞は追悼に使われると度々陳腐な印象になるけれど、Doris Lessingはそれしか言い表しようがないんだろうな、と納得する。

関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/461-cf3d1c1b

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - - 1 23
4 5 6 7 8 910
11 12 13 14 15 1617
18 19 20 21 22 2324
25 26 27 28 29 30 -

全記事

フリーエリア

フリーエリア