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The Overlook

「Echo Park」 以来のBosch。普通500ページはあるこのシリーズが、今回は見るからに薄い(260ページ)。元々ははNew York Time Sunday Magazine に連載されたものに加筆して出版したらしいが、加筆してもまだ薄い。
The Overlook (A Harry Bosch Novel)The Overlook (A Harry Bosch Novel)
(2008/01/01)
Michael Connelly

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Sunday Magazineの連載との関連はよくわからないが、これがBoschシリーズとの初の出会いだったらちょっとね・・・となったところだが、もうその辺はどうでも良くなっているので、うふふふ・・・と笑いながら読了。まあ、ちょっと出来はイマイチ。スピード感は相変わらずあるけれど、捻りはないし、おおっ!というどんでん返しもなく終わってしまった。どんでん返しと呼んでいいかもしれないオチは、どんでん返しなんだけれど、イマイチというより笑ってしまうオチであった。

前回 「Echo Park」ではOpen-Unsolved UnitにいたBoschは今回はパートナーも刷新し、LAPDのHomicide Specialにいる。新パートナーはきっと息子ほどの歳なんじゃなかろうか?と思うほどの若者で、今回の事件が初コンビだが、これがまったく噛み合わない。FBIとの因縁は今回も続き、The Overlookなる高台で医師が殺害されているところから事件が始まる。単なる殺人事件と思いきや、現場に向うとそこには何とFBIが既におり、元恋人、前回も登場したRichelが再び登場。どうにもぎこちない再会。何故FBIがここにいるのかというと、このKent医師は放射線治療と行うのに用いるセシウムにアクセスできる医師で、このセシウムという放射性物質をアルカイダ系のテロリストが狙っているという情報を追っているFBIがここに登場した、という次第。つまり事態は単なる殺人事件ではなく、セシウム奪回を最優先とする国家的非常事態になってしまった。

FBIとの合同捜査などという建前なんて最初から絵に描いた餅で、証拠も握られまったく蚊帳の外に置かれるLAPD。お決まりの?お得意の?権力との戦いパターンだな。今回ふふふ・・・と笑ってしまったのは、Boschがすっかり老害の人になっていたからで、FBIとの証拠囲い込み闘争など、まるで子供の喧嘩のような状態だし、IT機器に弱いBoschが被害者の携帯でメールチェックも出来ず、新米のパートナー君が楽々やってのけたり、その新米君にFBIの阿漕さを延々と説いたり、とまあ、こんな感じ。

さてオチはというと、このFBIもワシントンも出てきてしまうほどの国家非常事態が、何のことない、医師の美人妻と警察内部の人間との不倫関係が生み出した夫殺人事件だっとというコテコテのDomesticな殺人事件だったということ。確かにパズルを解いてしまったのはBoschで、事件現場の些細な痕跡を見落とさないのはさすがだけれど、国家非常事態のオチがこれというのも、何とも微笑ましい(?!)いつもの暗い闇も、「権力 vs. 正義」の葛藤もなく、何だかなあ・・・・と笑いながら、Bosch が出てくりゃまあ、いいか、の私としては、それはそれで楽しんでしまった。アルカイダが登場する時代にまでようやく到達したシリーズ、さてさて次は何だろね・・・
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