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別れ

150ページ足らずの薄い本に短篇が3つ。軽~~く流すつもりが、平身低頭、伏してお詫びします。手強い。なかったことにして、ブログに書くのはやめようかとズルしたい気持ちを抑えつつ、まあ、わかんないものはしょうがないので、再読本の筆頭に格上げしておこう。
別れ (フィクションのエル・ドラード)別れ (フィクションのエル・ドラード)
(2013/10)
フアン・カルロス オネッティ

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水声者のフィクションのエル・ドラードは、私にとっては期待満載のシリーズ。シリーズタイトルどおり、ラテンアメリカの隠れた(?)名作に、待ちに待った復刻も含め、興味津々のラインアップ。

ギブアップ宣言もしたので、3篇の紹介はブックデータベースのパクリしか書けない。
田舎町のホテルにひとりの男がやって来た。無愛想な人柄…若い娘との待ち合わせ…妻子の来訪…町人たちは噂し、疑り深い語り手は男の背景にひとつの物語を紡いでいくのだが…語り手の視点から言葉巧みに読み手を作品世界へと誘い、作者自らこの作品を偏愛した秀逸な中編。表題作のほか、モンテビデオで起きた実話を憎愛と復讐の物語へと変貌させた「この恐ろしい地獄」。婚礼というオブセッションに取り憑かれた狂女を幻想的に描いた「失われた花嫁」の傑作短編を収録。(「BOOKデータベース」からの引用)

暑苦しいラテンではなく、冷たい方のラテン。ちょっと摩訶不思議なリアリティーの無さは、短篇の名手のコルタサルを彷彿とさせるけれど、翻訳者があとがきで解説してくれているように、独特で繊細な文体は翻訳泣かせらしい。泣いた翻訳者の方には申し訳ないが、読みづらいことは確か。それがどうして読みづらいのか未だによくわからない(きっと最近お疲れモードなんだろう、と自虐的になる)。筋立てが特段複雑というわけでも、凝りに凝ったプロット、ということもない。なのに、一文、一文が起承転結していないような、妙な感覚に陥り、気付くと物語から遠く置いてきぼりを喰らい、追いつこうと踏ん張ると、またしても置いてきぼりを喰らう、という具合。

オネッティは、「屍集めのフンタ」という本も出版されている。ウルグアイ出身の彼は、ラテンアメリカにおいては、スペインへの亡命組。1985年になってウルグアイに文民政権が返り咲くと、当時の大統領からの招待を受けるが、それでもスペインに留まり、一生を終える。大作を書き上げるタイプではないんだろうけれど、彼の作品に出会ってしまった人には、その脳裏にしっかりと刻み込まれるタイプなんだろうなあ(私もその仲間に入りたい)。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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