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Consider the Fork:A History of How We Cook and Eat

この本を知ったのは、邦訳されている↓の本を見つけたから。何だか面白そう、でも3,000円は出さない。

キッチンの歴史: 料理道具が変えた人類の食文化キッチンの歴史: 料理道具が変えた人類の食文化
(2014/01/15)
ビー・ウィルソン

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で、オリジナル英語版にいくとホホホ!半分以下で入手できるじゃない。しかもこっちの装丁の方が断然好きだなあ。。。
Consider the Fork: A History of How We Cook and EatConsider the Fork: A History of How We Cook and Eat
(2013/10/24)
Bee Wilson

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副題にもあるように、これは人類が何を食べてきたか、でなく、どのように調理をし、どのように食してきたか?古今東西の調理器具の歴史と、その背景にある社会や文化との関連。最近の便利で機能的な調理器具だけではなく、古代にまで遡り、土器が保存に使われ、調理器具として使われていた時代から、調理が過酷で危険な作業であった中世、そして現代、調理はとうとう生活を楽しむレベルにまで到達した。調理器具の発展は人類の科学の歴史でもあり、作る側から見た人類の食文化史がこの本。

鍋、包丁、泡だて器にフードプロセッサー、コンロ、計量カップに計量スプーン、冷蔵庫にキッチンそのもの。料理やキッチンが現代の形になったのは、本当にごく最近のことなんだと改めて思う。劇的な変化はおそらく、イギリスの産業革命の時代で、一足先に機能的であること、便利であることに着目してきたアメリカ文化が、現代キッチンの元のようだ。日本だってキッチンが家の中心に鎮座する前は、土間がキッチンであり、そこは過酷な作業場所だった。中世ヨーロッパでも然り。今日当たり前に入手している粉や砂糖だって、入手しているものは既に加工品で、昔々は、収穫された野菜からそれを粉末状にするまでの過程がどれだけ大変であったか、そのために発展してきた科学の歴史は途方も無い試行錯誤の連続だった。オーブンの温度を計る温度計もない時代にいかに温度を知るか、レシピの元になる大匙1やカップ1の分量の統一は計量法の世界基準の歴史でもある。冷蔵庫への意外なアレルギー、ナイフ・フォーク文化と箸文化の違いが生み出す調理方法の差異、いやはや、目から鱗の文化史である。

機能的なキッチン、快適なキッチン、便利で安全なキッチンが行き尽きた先にあるものはなんだろう?食文化の歴史を振り返っても、行き過ぎた機能追及の後には揺れ戻しが来ている。スローフードや無農薬野菜は、その一つの現れなんだろう。これでもか!というほどの様々な調理器具が発明されては消えてゆき、そして何千年も前からさほど形も変えずに使われ続ける木のしゃもじや、スプーン、私が最近気に入っているフードプロセッサーにも勝る擂り鉢はきっとこの先も残るのだろう。

しかしこの本を読み終わった時、何よりもあ~~、幸せだなあと思うのは、食べること料理をすることを楽しんでもよい時代になったこと。そのための科学の発展はやはり人類を確かに幸せにしてくれたのだと思う。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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