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悪魔の恋

全巻きっちり揃え切ってしまった「バベルの図書館シリーズ」。揃うと安心して読まないものだ。おまけにこの本はどうも通勤本にしにくい(装丁がステキ過ぎるんだな・・・)ので、家でしか読んでいない。
カゾット―悪魔の恋 (バベルの図書館)カゾット―悪魔の恋 (バベルの図書館)
(1990/01)
ジャック・カゾット、渡辺一夫 他

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ゴシックロマンの先駆的作品と云われているらしい。カゾットが生きた時代はフランス革命真っ盛りの18世紀。彼自身は第三身分(中産階級ってとこか?)、熱心な王党派で、革命勃発後も君主制主義者を貫き、反革命派の彼の最期は断頭台の露。18世紀のゴシックロマンなんてコテコテなのかと思ったら、悪魔が登場するので若干怪奇小説の気はあるが、今読んでもそれほど古臭く感じられない、悪魔と人間の恋愛小説。

アルヴァーレは好奇心から友人に聞いた方法で悪魔を呼び出す。呼び出した悪魔は最初、駱駝の首の形だったがが、次にそれは子犬になり、小姓ビヨンデット(男装している)になり、更に主人公に仕える内に女性形ビヨンデッタに変形する。アルヴァーレに恋する悪魔のビヨンデッタが何とも熱烈で、賢い女(いや、悪魔)という設定ながら、拗ねてみたり、嫉妬してみたりと、どこがゴシックロマンなのよ、と突っ込みたい程なんだが、それはそれで悪くはないんだな。神秘的な場面は少なく、中盤以降は今度はアルヴァーレがその美しさと献身ぶりにぞっこん惚れ込んでしまい、律儀にも親の承諾を得て、結婚すると云いだす。その内、ビヨンデッタは何だかただの馬鹿女のように変貌してきて、アルヴァーレも若干引き気味。。。 ここに至って私は笑いそうになってしまった。

それで最後はどう決着させてくれるのかと期待は膨らむが、あらら? 目覚めたらすべては夢のお話だったという結末。どうも本書にはいくつかの版があるらしく、それについて作者自身の言い訳?釈明がエピローグになっている。しかし、いくらなんでもこれはないよね。悪魔との対決とか、泥沼の悪魔との恋愛とかというバージョンはなかったんかい?

この作品、一応古典的名作なわけで、ググってみると、もっともらしく、それらしく、文学っぽく論じている堅物学者の書評なんてものもあるけれど、一般読者は揃いも揃って、微笑ましい恋愛だの、大爆笑だの、エンディングはなにこれ?だのとコメントしてくれている。素人読者の私には、そんな似非文学論が全然理解できなかった。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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