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The Brass Verdict

The Lincoln Lawyerに続く、Micky Hallerシリーズの第2作だけれど、今回はBoschとの競演という「スピンオフ」もので、これは抜くわけにはいかない。そういえば、これは映画化されているんだった。期待を外されそうな怖さはあるけれど、やっぱりちょっと見てみたい。
The Brass VerdictThe Brass Verdict
(2009/04/01)
Michael Connelly

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いきなり最後の最後のオチからいくと、そうだった~~~、どこかで既にこのネタバレを読んで知っていたはずだったが、最後の最後に出てきて、すっかり忘れていた私は素直に驚いてしまった。が、この驚愕の事実がそれまでの二人の関係の複線のすべてを解いてくれていた。と、こんな事実を暴露したからには、きっと次のHallerシリーズにもBoschは登場するんだろうか?

私は客観的なConnelly作品評価などなく、そもそもBoschものが読みたいだけなので、競演といいながら主役はMickyで相変わらずこの自信満々の若造があまり好かん。いい奴だが、金、金、金、のアメリカンな弁護士で、訴訟社会のアメリカでのし上がるタイプの嫌な(笑)奴だが、土壇場で正義感がムクムクと沸いてくるのが救い。が、いかんせん、若いんだなあ・・・ 今回のBoschは時々登場するだけなんだけれど、二人の会話はどう見ても、Boschの方がカッコいいのよ(親の欲目)。なのに張り合うMicky君を愛い奴と思うだけの懐の深さは私にはないな。ちょい役のBoschだが、普段彼が主役だと味わえないちょっと離れたところから見るBoschの姿はちょっと新鮮。いかにも喰わせ者だ。二人の掛け合いもこれまた面白い。ああ、そういえば、二人で何故か高級ステーキを喰うシーンもちと笑える。

しかし、アメリカの裁判ってもんは、本当に本末転倒というか、勝てば官軍というか、いやはや恐ろしいところで、陪審員を買収するだの、挙句に司法の世界にいる人間までもが、犯罪者と化す。日本でも始まった陪審員制度だが、まだまだどうもピンとこない一日本人は、陪審員の心証を良くすることが、真実よりも裁判の評決を決定してしまうという、そのために弁護士も検察側も策を巡らす、という必死の攻防にあっけにとられてしまう。なんたって、人の表情を読み取るプロなるものを雇い、裁判中に逐次携帯メールで、陪審員No.xx はどうだのと報告がくる時点で、なんだこりゃあ・・・である。そして、裁判官のほか検察官、弁護士も同席して、それぞれ自分たちにとって不利な判断をしそうな人を何人か除外できるというシステムも、そんなことは全然知らなかった私は、最初三者がこいつは落とすだの、こいつは使えるだの、と駒選びをしている意味がよくわからなかった。

本筋のMicky君が弁護するハリウッドの大物の裁判と、Boschが捜査をしている殺人事件が最後には繋がるのだが、今回その殺人事件の真相と真犯人はいまいち感がある(これは筋上どうでもよかったのかも知れない)。問題は、罪を犯していても裁判で勝利を勝ち取るために、もはやゲーム化?ビジネス化?してしまった裁判制度・陪審員制度の方だったのかも知れない。そんな虚の勝者に「真鍮の評決」を下すことをアメリカ社会は暗に認めているってことか?それが正義ってことか?今回の被告人のハリウッドの大物は最初から最後までまったく好感も持てない人物、信用の置けない人物で、正直あっけなく銃弾を浴びて殺されると正直ちょっとスカッとしてしまう。でもそれでいいのか、アメリカよ・・・
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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