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The Imperfectionists

おもしろ~~い!と思ったのに、読めない日々が続いたので、えらい時間がかかってしまったけど、これは面白かった。
Tom Rachmanの処女作で、海の向こうでは2010年の年間ベストに入れてくれる人もいたりして、評判も上々。彼はイギリス生まれ、カナダ育ち、大学はアメリカ、ジャーナリストとして世界を転々、でも生まれはイギリスということで、カテゴリーはイギリスへ。。。

The ImperfectionistsThe Imperfectionists
(2011/07/07)
Tom Rachman

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アメリカの富豪が1950年代に創設したローマの新聞社が舞台。オムニバス形式とでも言うのか、そこで働く人(編集局長、校正係、死亡記事担当者、パリの委託記者、カイロの新米派遣記者、CFOなどなど)や関係者、計11名のプライベート生活を、1人1章で描き、社内の確執や夫の浮気、老いとの戦い、ほろ苦い恋愛などと格闘する彼らは、新聞社で見せる顔とはまた別の顔を見せてくれる。そして各章の最後には、この新聞社の歴史が織り込まれていく。章の中の主人公が、別の章で脇役登場したりもするんだけど、タフで嫌な奴かと思いきや、そのジャーナリストの顔の裏にある、屈折感、ほろ苦さ、人生の哀しい現実など、まあ、まとめてしまうとありがちな日常なんだけど、あっさりとでもテンポよく書かれていて、ホロリとしたりしんみりしたり、吹き出しそうに可笑しかったり。でも最後は、この新聞社の歴史と、現在そこで生きるそれぞれの人生が、見事に一体となって昇華される、という構成。

結局、古いコンピューターや資料の山、床には吸殻が散らかる、この古式ゆかしい新聞社は21世紀に突入し、テレビやネットの波に乗れず、経営も困窮し、衰退の挙句、最後は幕を引くのだけど、富豪一族である最後のオーナーは、ジャーナリズムも知らないし、興味もないし、新聞社にも顔を出さず、一族の屋敷で犬のSchopenhauer(ショーペンハウアーよ、あの哲学者の!)と日がな一日ミステリー小説など読みながら暮らしている男で、幕引きの最後のスピーチにも無理矢理引っ張り出され、”何を言ったらいいのか・・・”というトボケた輩で、従業員も話しを聞くでもなく、勝手に退散しちゃう。不思議なことにこのあっさり感が、ジャーナリスト出身である作者Tom Rachmanが抱いている(と想像するのだけど)、ジャーナリズムへの愛着を浮かび上がらせるあたりが上手い!(まずい、オチを書いてしまった・・・)

次回作が出たら追ってみようかな?と久しぶりに思ってます。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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