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悪魔のような女たち

中条 省平氏の 「最後のロマン主義者~バルベー・ドールヴィイの小説宇宙」 にのせられるまま、最近一人静かなマイブームのバルベー・ドールヴィイ。
悪魔のような女たち (ちくま文庫)悪魔のような女たち (ちくま文庫)
(2005/03)
ジュール・バルベー ドールヴィイ

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とにかく何につけ極端な思想の持ち主なのである。無神論者から一転、中世的神秘的なカトリック信仰に回帰したり、天国と地獄は ”超自然的にまで高まる感覚” という意味では同じなのだと云ってみたり。所謂19世紀フランス文学界を代表する文学者ではないかも知れない。が、中条氏曰く、”19世紀フランス文学の裏面” を代表する作品がこれ。内容の過激さ故、検察が介入し、書店から本は回収され、全冊廃棄された発禁本であるそう。

さて、女性に対して相当な偏見をお持ちのバルベー ドールヴィイ。6篇の短編の登場するのは、まさしく悪魔のような女たちなのだが、狂気の沙汰を繰り広げる悪魔のような女たちは、沙汰は狂気でも気は触れてはいない。身体的な残酷さは篇を追うごとに加速していくが、その残酷さが恐ろしいというよりは、狂気はどちらかといえば、その精神性の方だ。偏見はあるのだろうが、悪魔から想像するようなどうしようもない性悪女のオンパレードかというと、そうでもなく、みな絶世の美貌を持ち、愛すべきとは云えなくとも、理解不可能ほどの悪魔性なないんだな。。。極端ではあり、ぞっともするけれど、ちょっと清々しいとも云えなくもない。

6篇の構成は極めてワンパターン。誰かが私に過去に経験した悪魔の女の狂気ぶりを語るという構成で、登場するのは、ほぼ貴族たち。なによりも前置きが長い。本題である悪魔女の話しが始まるまでがひたすら長い!! そしてデカタン代表だけあり、描写が細かくデコラティブ。実際、悪魔話しだけだったら、本の厚みは半分で済む。が、一旦始まると、息もつかせぬ怒涛の狂気 (とても途中でページを閉じることは出来ない)。

バルベー ドールヴィイの描く女性は、そもそも貞淑で主人にひたすら忠誠を誓うような女性はいない。強くて逞しい女たちばっかり。反面ダンディーなバルベー ドールヴィイにおいて、この作品に登場する男たちは案外ヤサオトコばっかりだ。女性に偏見はあろうとも、女性をひたすら悪者に仕立てるという悪趣味は彼にはないらしい。どこまでいっても彼は耽美的で美しいのである。
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