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鳥たちをめぐる冒険

古本カフェには文鳥様がいらっしゃる。(あ、勝手にwesiteからもらっちゃいました) 店主は目の中に入れても痛くないほど可愛がっている様子。鳥かごの中とはいえ、特等席に鎮座していて、そこは漏れなく文鳥とともにしばし時を過ごせる、格好のテーブルになっている。
文鳥 その古本カフェ改め、文鳥カフェの1コーナーに鳥関連本が並んでいるのだが、ここに通っていなかったら、一生読まずに終わったのが、こんな本。

鳥たちをめぐる冒険 (講談社学術文庫)鳥たちをめぐる冒険 (講談社学術文庫)
(1992/04)
W.H. ハドソン

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William Henry Hudsonはアメリカ人の両親の間にアルゼンチンで生まれ、そこで少年時代をすごした。 その後、イギリスに渡っている。英国鳥類保護協会の会員であり、博物学者ということになっているが、Naturalistというのが一番いい。調べると著作も多く、小説も書いており、『緑の館』は、オードリー・ヘップバーン主演で映画化された(うっ、知らない)。実際にどんな人物だったのかは、この作品からは何ともいえないところだが、所謂学者然としたアカデミックな知識人ではなく、Naturalistなんだろう。鳥への愛情は、単に鳥が好きというレベルではなく、これはもう鳥至上主義といってもいいくらいの偏愛振りで、鳥を前にしたら、人間は彼の生存を常に脅かす害虫のような扱いだ。生物の中で鳥こそ自然の生命力が最もきれいで、快活で、自由な形で現れているのだとか・・・

鳥に格段の愛着も知識もない私には、この偏愛ぶりはちょっと驚きなのだが、鳥と人間が心を通わす、時として友情を育む実例を示されると、生命の不思議さえ感じてしまった。彼は決して鳥マニアではない。だから狩猟を趣味としている人間や、剥製コレクションをしている人間や、ましてや珍鳥コレクターなどは、違った意味で鳥好きなのかも知れないが、彼にとっては、いや彼曰く、鳥の大敵ということになり、そういった輩たちに対する嫌悪感は凄まじくて怖いほど。彼が好きなのは、自然の中で、人間からの迫害を受けず、自由に優美に生きる姿を見ることであり、常にたった一人で、そんな鳥たちを眺めに行くのである。決して、偏屈で人付き合いが大嫌いということもなかったそうだが、鳥たちに会いに行く時はいつも一人で、それは何者にも邪魔されず、人を寄せ付けず、瞑想に浸るように鳥たちを眺めていたようだ。

少年期を過ごしたアルゼンチンをはじめ南米の鳥の話しもあるが、その後移り住んだイギリスの地方の鳥たちの話しの方が断然多い。そして彼がもっとも愛した場所が、ノーフォークのWELLS-NEXT-THE-SEA。Googleで画像をいくつか見てみる。なるほどここが、バードウォッチャーの聖地だと云われるもの納得の場所。ノーフォークは足を踏み入れたことはないが、ビーチの美しさは有名らしい。

明日から鳥という存在が、ちょっと違って見えるようになるかも知れない。
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