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碧玉の杖

書物の王国で二度程遭遇しているアンリ・ド・レニエ。「人形」 と 「分身」で、ちょっと身震いしてしまったので、本腰を入れて探してみようかと思った矢先に古本カフェの片隅にひっそりと生存していることに気付いた。1864生-1936没だから、もう既に青空文庫でも登場している。
碧玉の杖 (1984年) (フランス世紀末文学叢書〈3〉)碧玉の杖 (1984年) (フランス世紀末文学叢書〈3〉)
(1984/05)
アンリ・ド・レニエ

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今、ふつーに購入出来るとすると、『ヴェネチア風物誌』とこの本くらいか??その昔は堀口大学・訳とか、森鴎外・訳とか、渋沢龍彦・篇とか、超をつけてもいいくらい凄い面子。有名なのは(といっても私は知らなかったが)永井荷風が惚れていたこと。豪奢にて華麗な古典、とどのつまりは(笑)、全くもってリアリティーのないお話しで、そういうリアリティーのないお話しは、私は結構好きなのである。根っこは詩人なのだと思うが、詩にせよ、小説にせよ、ググってもホントにヒットしないし、Wikiに項目がない、というレアもの加減になっていた。現代で再ブームが起きるかとは思えないが、せめて岩波文庫あたりでもう少しラインナップしてくれてもよいだろうに。。。

連作短篇『アメルクール卿』とその他短篇による処女散文集。舞台が宮殿・庭園、登場するのは貴族たち、装飾描写たるや、美意識が高すぎて私ではついてゆけない。決して豪華絢爛ではなく、滅びゆく美学とでもいった方がいいような、退廃的な腐りかけた美学の方。が、そこで繰り広げられるのが、冒険と秘密の恋と殺人事件ときている、つまりは大人が味わう豪奢な夢の御伽話なのである。

この本は、国書刊行会の「フランス世紀末文学叢書」なるハードケース入りの叢書なのだが、15冊刊行していて、ウチに3冊もあった。ハードケース入りだからと毛嫌いしていたが、なんのことはない、ケースをとればソフトカバーの単行本になり、ごつくもなく携帯にも支障をきたさない。作品はというと確かに19世紀末あたりの作品だが珠玉の1冊的な品ぞろえは、今時の作家じゃ絶対に書けまい!という華麗な作品集になっていて、俄然気になるシリーズに踊り出た。しかも、人気もないらしく(まあ、否定はしまい)、お値段も懐に優しいときている。ほとんど作品に巡り合えないレオン・ブロワ、『さかしま』にはそうそう手を出せないが、こっちらならいいかと思ってしまったユイスマン、ジャン・ロランの短篇集、等々。優しいお値段につられて現在探索中。
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