FC2ブログ

Entries

縛り首の丘

ポルトガル好きの私としては、ポルトガルというだけで一応読んでみようと思うわけです。もっともそれ以前に、ポルトガル文学は選り好み出来るほど翻訳されていないわけで、本屋さんでもスペインと一緒の棚で、何とも肩身が狭い。このオドロオドロしいタイトルと表紙、しかも19世紀のポルトガルの作家、Eca de Queirosは、以前に「アマーロ神父の罪」 (ポルトガル文学叢書)という本を読んだら、硬いお話しだったので、同じ路線かと思いきや、全然違うじゃないか・・・

縛り首の丘縛り首の丘
(1996/03)
エッサ デ・ケイロース

商品詳細を見る

「大官を殺せ」と「縛り首の丘」の2編の短編が収められています。どちらの主人公も大真面目なのですよ。

「大官を殺せ」は、貧乏な官吏テオドーロが主人公。鈴を鳴らせば、見ず知らずの中国の裕福な大官が死に、その財産を相続できるとの一節を目にしたところ、何と目の前に不思議な男が現れ、呼び鈴を鳴らせと言われ、欲に負けて押してしまう。その後本当に中国人大官ティー・チン・フーが死に、その莫大な遺産を彼が相続したとの連絡が入る。突然大金を手にしたテオドーロは、贅沢三昧するわ、一躍時の人となってちやほやされるわ、でも次第に罪悪感に襲われ、ティー・チン・フーの亡霊に悩まされ、自分が殺してしまったその中国の大官の遺族を捜しに行こうと中国へ旅立つ。中国ですったもんだした挙句、金なんかいらない、元の平和な貧乏暮らしに戻りたいと願うのだけど、それも許されず、最後に名言を吐いて(これは内緒!)終わる。

「縛り首の丘」は、主人公ドン・ルイがある夫人に恋をし、嫉妬に狂った夫人の夫が、奥さんに無理矢理ラブレターを書かせ、ドン・ルイに届ける。それはドン・ルイを殺すための夫の策略なんだけど、ドン・ルイはただもう有頂天になって、横恋慕に向かう。その道中「縛り首の丘」で1人(?)の死体が ”俺を連れて行け!”と言うものだから、これも神のおぼし召しかと死体を連れて行くと、その死体が身代わりになって夫に刺され、ドン・ルイは命拾いをする。夫の方は、殺したはずの間男はまだ生きているし、自分が刺した剣は、「縛り首の丘」の縛り首になった死体に刺さっているものだから、気が狂って死んでしまい、最後に夫人と間男は無事結婚しちゃう(え~~、それでいいの?)

現代の小説ばっかり読んでいると、この喜劇のような悲劇に笑ってしまうのだけど、でも古き良き時代の真面目さがあるんだよなあ。いや、いや、笑うハナシじゃありません。とにかく、ポルトガル万歳!
関連記事
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://besideabook.blog65.fc2.com/tb.php/55-6c2c8598

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

Green

Author:Green
夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

Calendar

<
>
- - - - - - -
- - - 1 2 34
5 6 7 8 9 1011
12 13 14 15 16 1718
19 20 21 22 23 2425
26 27 28 29 30 31 -

全記事

フリーエリア

フリーエリア