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On the Black Hill

「The Viceroy of Ouidah」並みに白旗を掲げる。どうしてChatwinはこうも難しく、なのにこうも魅力的なのか?わからないくせにどうにもChatwinが好きな自分もよくわからん。これは「紀行文作家」のレッテルの反発して彼が書いた最初の長編小説。
On The Black Hill (Vintage Classics)On The Black Hill (Vintage Classics)
(1999/01/19)
Bruce Chatwin

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20世紀の到来と同時にウェールズとイングランドの境界線上の家に生まれた双子の兄弟ルイスとベンジャミン。この村から一歩も出ないで二人は人生を送る。二つの大戦も、技術革新による生活の変化も、同じベッドに眠る二人にとって遠い世界。髪は枕カバーより真っ白になった80歳の誕生日、セスナに乗った双子は上空から自分たちの生きてきた「世界」を初めて眺める。そして……

いや、そこまではさすがにわかる。横に広がる筋はわかるのだが、縦に深くなっていく文章がわかんないのよ・・・・ わからなくても、感じるものはある。そこがChatwinから離れられない理由か。

紀行文を書こうが、小説を書こうが、Chatwinには何か英国らしからぬ、全てを超越していくような強い自由が常にある。彼の作品だと思うと一風変わったこの小説は、イギリスの田舎町を舞台に、そこから一歩も踏み出さず、双子の両親の歴史から、双子の老年まで約100年を描く。その間ずっとこの片田舎が舞台だ。離れていても意思疎通ができる奇妙な双子の周りでは、事件も起きるし、悲しいことも起きる。100年の間には、第一次と第二次の世界大戦があり、農場にも技術革新が入り込み、近隣同士の復讐劇があり、恋もあり、宗教の争いもある。だが、全篇を通した、静寂さは、世界を旅したノマドとは思えないほどのクラシックな佇まいで、ある種の神話のようでさえある。しかし、ウェールズの自然の美しさや、村の暮らしの細部までは読み取れないんだな。

実は邦訳が最近出版された。それを知った瞬間に、自分の本棚をがさこそやって、こちらのOn the Black Hillを慌てて読み出した。
黒ヶ丘の上で黒ヶ丘の上で
(2014/08/26)
ブルース・チャトウィン

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みすず書房から出ているこの本は、みすず書房らしく、お値段がいい(約4,000円也)。おいそれと新刊には手が出ない。でもここまで来たら、わからないのも悔しい。でも4,000円は高い。 高い、高い、高い。。。 
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

流行りモノとか、人気モノとかすっかりどうでもよくなり、本と散歩とあとはぼぉ~~っとすることだけが今の楽しみ(それでいいのか?)

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