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ジーヴスと封建精神

いやはや、2月に読んだ「でかした、ジーヴス」以来のP.G. ウッドハウス。
ジーヴスと封建精神 (ウッドハウス・コレクション)ジーヴスと封建精神 (ウッドハウス・コレクション)
(2008/09)
P.G. ウッドハウス

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このシリーズ、最初こそは出版順に読もうとか、登場人物をちゃんと把握しようとか、一応は考えていたが、既にどうでもよくなってきた。帯だって
お笑い街道さらに大ばく進中!!!  とか
たわけ者たちのアルカディア
とか書かれると、何だかもう気が抜けきってしまう。

今回は、バーティーとバーティーが大好きなダリア叔母さんが、タックを組み、こんがらがった困難に立ち向かうというお話し。全篇、このボケとツッコミのデコボココンビの掛け合い漫才が賑やかに続く。一方ジーヴスは、のっけから、バケーションに行っていたり、本人所属のジュニア・ガニュメデス・クラブの会合に行ってしまったり、その隙間に現れては、一言二言知恵を出し、なんとも効率よく働きながら、絶賛の褒め言葉をいただく。何といっても御主人自ら、”ジーヴスが大黒柱”と断言しちゃう。そのせいかどうなのか、馬鹿だ、馬鹿だ、と思っていたバーティーが心なしか少し賢くなった気がする。

史上最強のワンパターンシリーズは、何が起きようと大団円なのだから、安心この上ない。そしてワンパターンのしつこさもこれまた見事。
バーティー、またも婚約して、どうせ結婚までこぎつかないのだからと本人が自覚している始末
ジーヴスが嫌がるウースター家らしくない身なり(今回は口髭)、そして最後はバーティーがあっさり折れる
二日酔いにも胃もたれにも抜群の効能を発揮するジーヴスお手製 ”おめざジュース”
ダリア叔母さんがバーティーを呼ぶ、「いもむしちゃん」「金のハートちゃん」「爬虫類ちゃん」・・・ まあ、何とバリエーションの多いこと
いつも狙われるダリア叔母さんの料理人アナトール
等々・・・・

毎回、古典だの大御所詩人だのからの引用が満載のこのシリーズ、バーティーやアガサ叔母さんにも相当に本を読ませている。ウッドハウス自身が相当な読書家であることの反映なのだが、彼が何が好きだったかというと、これはもう推理小説であったらしい。今回アガサ叔母さんが読んでいたのは、アガサ・クリスティーで、バーティーは「ピンクのザリガニの謎」なる推理小説を読んでいる。この作者はレックス・ウェストとなっているが、あとがきの森村たまき氏の調査結果によると、どうもこれは、ウッドハウスが大ファンだったというレックス・スタウトのことらしい。このアメリカの大推理小説作家は、日本ではあまり馴染みがない(つーか、私は知らない)が、アメリカ探偵作家クラブの会長を務めたという大御所らしく、彼の友人だったウッドハウスはスタウトの伝記に序文を寄せているとか。
あ~あ、どれだけ読んでも、ウッドハウスが挟み込むコネタの一つ一つを理解することは出来ないなあ。
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