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愉しみは最後に: 二人のひどく不器用な自殺志願者の往復書簡

10月14日出版された湯気が出そうな新刊。薄いけどその分お手頃価格。パトリス・ルコントは云わずと知れたフランスの映画監督。「仕立て屋の恋」 やら 「髪結いの亭主」 やら、監督もやるが、脚本も書く。本も書くとは知らなかった。あまりにも出版し立てのホヤホヤなので、ググっても誰も感想を書いていないや。。。
愉しみは最後に: 二人のひどく不器用な自殺志願者の往復書簡愉しみは最後に: 二人のひどく不器用な自殺志願者の往復書簡
(2014/10/08)
パトリス ルコント、ダヴィッド デカンヴィル 他

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病院で知り合ったダメダメ人間の自殺未遂者二人の往復書簡という形式をとった抱腹絶倒のユーモア小説。自殺未遂者が、今度こそ華麗なる自殺を遂げるべく、あーでもない、こーでもないと、フランス人らしく屁理屈と美意識を織り交ぜながら、知恵を絞りアイディアを繰り出す。奇抜で斬新な自殺の方法をガイドブックとしてまとめ、世の自殺志願者のために残し、彼らが見事自殺を遂げた後も、その本を巡って世の自殺志願者の指針となるべく書物も残そうと、脳ミソを捻っているふたり。が、この二人、理屈を捏ねるのはさすがフランス人だが、とにかく優柔不断。華麗なる自殺を夢見て、お互いのこれなら、という自殺方法にお互いにダメ出しをするんだが、そのダメ出しが理屈コキらしく、結構辛辣で、嫌味ったらしい皮肉ばっかり。でも手紙の最後には、いつもお互いを慰めあり、勇気づけあい、要は傷を舐めあうダメダメ人間なんだな。

この作品、著者は2名である。ダヴィッド デカンヴィルは、同じくフランスの出版者でジャーナリスト。著作がぶっ飛んでいて、『更新できるため一日のためのマニフェスト、一日延ばし入門』(仮称)というから、できればこちらの翻訳本も出していただけたら、買いますよォ・・・ で、この二人が、登場するポールとノルベールをそれぞれ担当して書き上げたということ。

ポールとノルベールが捻り出した自殺手法はこんな感じ。いやはや、読了直後でもこれってなんだっけ?と云うくらい、列強だけは凄まじい。
市民プール鉄床自殺 水撒きホース自殺 公園串刺し自殺 ゴミ回収車自殺 飛び入り自殺 やりすぎ自殺 サファリパーク自殺 キノコ狩り自殺 歯科学的自殺 アヒルボート自殺 日光浴自殺 禅自殺 銀行強盗自殺 縁日自殺 エクレア自殺 山地人自殺 自転車自殺 ナイアガラの滝自殺 セザール彫刻自殺 ナイトクラブ自殺 ・・・・・・ 

あ~疲れた、でもこれで全部ではない。ネタバレを書くべきか書かざるべきか?? 結局二人が選択した自殺は、かくも古典的と云えるほどの古典的手法。ま、これだけ捏ね繰り回せば、最後はそうなる。抱腹絶倒ユーモア小説なので、もちろん(笑)、そうだろうとは思ったけれど、優柔不断な二人はやっぱり自殺し切れない。いや、しようとはしたんだけどね。そして最後は、これまた超古典的はチャン、チャンなエンディング。

ま、それでいいのか・・・ 人生は案外悪くない。
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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