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マルコ・ポーロの見えない都市

昔読んだ本を本棚から引っ張り出し、パラパラめくりながら記憶を辿っている暇があるなら、読みかけの本を読んでいた方がいいんだろうけど、このGWを逃したら次のチャンスはいつになるのだろうと不安なので、暖め続け過ぎたItalo Calvinoを書いてしまいます。Calvinoの本の話しをすると、だいたい「冬の夜ひとりの旅人が」が挙がるのだけど(まあ、あれも面白いけどね)、私はこれが好きなんだよなあ。少し前に「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」に採用された(?)Calvino作品もこの「見えない都市」だと知った時、”だよね・・・”と自己満悦に浸ってしまった。

マルコ・ポーロの見えない都市マルコ・ポーロの見えない都市
(2000/03)
イタロ カルヴィーノ

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Calvinoの作品はだいたい読んだけど、時系列に読んだわけじゃなく手当たり次第だったので、作風がコロコロ変わるような印象があった。初期のネオリアリズモ風、寓話的で空想的な作風、幻想的なもの、SF的なもの、等々。後期になる程、軽妙だけど体感温度が下がるような、妙に空間が感じられる作品が増える気がする。そして私はその辺りの作品群が結構好き。

オリジナルタイトルは「Le città invisibili」 ”マルコ・ポーロの”は邦訳の際にくっついたのだけれど、この本、マルコ・ポーロの「東方見聞録」のパロディーで、若きマルコ・ポーロが訪れた様々な都市を、フビライ汗に語って聞かせる、という構成。1つ1つの都市の話は2ページ程度と短く、次から次へと語られる都市はおよそ非現実的で、ユートピア的で、アレゴリー的で、それら都市をヴィジュアルで想像することは不可能。

語りは相変わらずCalvinoらしく軽妙なので、サラサラ読めてしまうのだけど、この冷たい哲学的雰囲気をどう解釈すればいいんだ??(解釈なんてあんまりしないんだけど・・・) 訳者、米川良夫氏のあとがきに、「寓喩のような貴方の多くの作品は何を暗示しているのか?」とCalvinoに問うた時、彼は、
"c'e un vuoto"
と答えたとある。vuotoはemptyってことらしい。何もないよ、と言っているのか、虚無があるって言っているのか・・・
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夜な夜な本読む・・・日本語は海外文学ばっかり。英語はフィクションばっかり。喰わず嫌いでどこまでいけるのか?

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